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日医 抗インフルエンザ薬のスイッチOTC化「反対」 自己判断による重症化懸念

公開日時 2026/01/08 05:40
日本医師会の今村英仁常任理事は1月7日の定例会見で、抗インフルエンザ薬のスイッチOTC化について、日本医師会として「反対」の姿勢を鮮明にした。インフルエンザは軽症例だけではなく、肺炎や脳症などの重篤な合併症のリスクがあるとして、「国民の健康と安全を守るため、抗インフルエンザ薬は引き続き医師の診断と管理の下で使用されるべきだ」と強調した。スイッチOTC化により、自己判断での使用が広がれば、重症化リスクが増大するほか、耐性ウイルス出現などにつながる可能性を指摘。「国民の健康に対する大きなリスクを生じ得るものとたいへん危惧している」と警鐘を鳴らした。

抗インフルエンザ薬のスイッチOTC化については7日を期限としてパブリックコメントが実施されていた。今村常任理事は、日本臨床内科医会や日本小児科医会などの関係医会・学会や、日医の会員などからも「反対」の声があがっているとした。

◎不適切使用は耐性ウイルス出現リスク高める

今村常任理事は「スイッチOTC化により、医師の診断を伴わない自己判断での使用が広がれば、インフルエンザ以外の疾患に対する誤用や、投与開始時期を誤ることによる効果低下、さらには受診遅れによる重症化リスクの増大が懸念される」と指摘。迅速検査キットはあるものの、「感度や正確性には限界があり、結果が陰性であっても感染しているケースも少なくない。医師による臨床判断を省略することは、医療安全上、大きな問題だ」と話した。

「特に、抗インフルエンザ薬の不適切使用は、耐性ウイルス出現のリスクを高める。耐性株の拡大は、個人の問題にとどまらず、社会全体の感染症対策を脅かす公衆衛生上の課題だ」と指摘。「長期的に見て、治療手段そのものを失う危険性をはらんでいる。医師の診断と管理の下で使用されるべきだ」と強調した。

また、高齢者や小児、妊婦、基礎疾患を有するなど、重症化リスクが高い人もスイッチOTC化により「自己判断に委ねることになり、結果として重症例の増加や、救急医療などの医療資源の逼迫を招きかねない」と危機感を露わにした。

今村常任理事は「医薬品供給問題にも大きな影響がある」と指摘。24年末に抗インフルエンザ薬が供給不足に陥ったことにも触れ、「医療用の製造ラインの一部をスイッチOTC製造ラインに変更することになれば、医療用抗インフルエンザ薬が必要時に医療現場に届かないないことが懸念される」とも述べた。このほか、「流行状況の把握や適切な対策立案が困難となり、わが国全体の感染症対応力を低下させる恐れがある」ことも指摘した。


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