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大日本住友 セプラコール社買収、両社とも狙いはルラシドンの米国展開

公開日時 2009/09/04 04:01

大日本住友製薬は9月3日、米国の研究開発型製薬企業セプラコール社(本社:マサチューセッツ州)を総額26億ドル(約2500億円)で完全子会社化すると発表した。両社が同日に合意した。大日本住友は米国でグローバル開発品の統合失調症治療薬「ルラシドン」を10年初めに申請し、11年に発売する計画だが、同剤の早期の売上最大化には自社販売体制の整備が不可欠と判断、CNS(中枢神経)領域と呼吸器領域に特化したセプラコール社を買収することにした。大日本住友は、セ社を米国医薬品事業の中核と位置付ける。

セ社は84年に設立。抗アレルギー薬のアレグラやクラリチンなどを創製・導出した実績があり、現在は米国で睡眠導入剤ルネスタや吸入喘息薬ゾペネックスなど6製品を販売している。09年6月末時点でMRは約1200人、研究開発部門に256人もつ。セ社の08年売上高は12億9200万ドル(前年比5.5%増)で、今回の買収が成立すれば、大日本住友は現在9%台の海外売上高比率が約4割に達する。

一方、セ社の開発パイプラインは自社品と導入品で開発ステージに切れ目がなく、開発後期には抗てんかん薬、抗うつ薬、アレルギー性鼻炎用薬、COPD用薬がある。今回の買収が成立すると大日本住友は米欧の開発パイプラインが強化され、買収成立後には申請中が1品目(買収前=ゼロ)、フェーズ3が2品目(同1品目)、フェーズ2が4品目(同1品目)、フェーズ1が6品目(同3品目)となる。

買収は、セ社の発行済普通株式を1株当たり23ドルで取得する。この取引価格は9月1日の同社株式終値に約27.6%のプレミアムを加えたもの。TOBは9月初旬に開始し、開始後20営業日で終了、所定の手続きを経て完全子会社化する。買収資金は手元現金約500億円と、借り入れで約2000億円とする。

大日本住友の多田正世社長(写真)は同日夕、東京支社で記者会見し、「セプラコール社買収の意義は、ルラシドンの利益を社外流出することなく、また、早期に売上げを最大化すること」と述べ、ルラシドンを自社販売するための投資と説明した。一方、セ社のエイドリアン・アダムスCEOは会見に出席しなかったが、多田社長は会見後、記者団に、「アダムスCEOやセプラコール社にとっても、ルラシドンが魅力だった。(ルラシドンの有効性を確認したフェーズ3試験の)PEARL2試験の結果が出て(8月26日発表)、一挙に話が進んだ」と語った。

セ社の売上高の約86%を占めるルネスタとゾペネックスは10年代初頭に特許切れを迎えるとされており、これをルラシドンで埋めたいと考えたとみられる。

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