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3月9日米国腎臓学会のリリースによると、イオン交換樹脂を含む薬剤の高カリウム血症に対する有効性は、説得力のあるエビデンスで証明されたことがないという議論が、「米国腎臓学会雑誌」(Journal of the American Society Nephrology)最新号で報告されたという。ロチェスター総合病院のリチャード・H・スターンズ氏らがクリニカル・コメンタリー・セクションで執筆したもので、これらの薬剤が「体内の過剰カリウムを除去するのに有効であることを証明した、厳密な科学的エビデンスは見つからなかった」ばかりか、「稀なケースで、有害の可能性を指摘するエビデンスがあった」と説明している。
高カリウム血症は腎疾患患者に高頻度に発生し、生命を脅かす可能性のある問題。イオン交換樹脂はソルビトールの下剤と混ぜた形で、同症状の治療に数十年来使用されているが、その有効性については対照臨床試験で検討されたことがない。スターンズ氏によるとこれらの薬剤は、FDA承認において製薬企業に有効性の証明を義務付けられる前の58年に広範囲に使用され始めたものであり、事実上、新法令の適用から除外されているのだという。
また昨年FDAは、致死的な腸損傷の可能性が報告されたため、ソルビトールとの併用でイオン交換樹脂を使用することに警告を発している。
過去の文献をレビューした結果、同氏らの調査チームは現在の承認に必要な基準を満たすエビデンスは見つからなかったと結論。今後、これらの薬剤の有効性と有害性を比較検討する試験が実施されるべきであると強調した。また、医師は高カリウム血症の管理において、立証されていない、しかも害があるかも知れない薬剤を使用する前に、まずは他の代替薬剤を試すべきであろうとコメントしている。
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