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厚労省 109の未承認薬など開発要請へ ゲムシタビンの卵巣がん適応も

公開日時 2010/04/28 04:00

海外の医療現場では広く使われているのに日本では使えない未承認薬・未承認適応薬(ドラッグ・ラグ)を減らすための厚生労働省の有識者会議は4月27日、開発の要望があった374成分のうち、109成分について医療上の必要性が高く、メーカーによる開発を急ぐが必要あるとの結論をまとめた。

ドラッグ・ラグの象徴とされてきたゲムシタビン(製品名:ジェムザール注射用、日本イーライリリー)の卵巣がんの適応のほか、国内に治療薬がなく、本誌で報道してきた希少難病CAPS(クリオピリン関連周期発熱症候群)の治療薬2剤(要望は3剤)も含まれる。承認審査中の薬剤もあり、抗認知症薬のガランタミン(ヤンセンファーマ)、同薬のメマンチン(アスビオファーマ)といったものも挙がった。

結論を踏まえ厚労省は、国内の医療環境に合わず、使用意義が低いといった特段の理由がない限り、5月にメーカーに対し開発要請する。国内に開発メーカーがない場合は公募する。まだ、129成分が検討中であり、引き続き検討する。

要請を受けたメーカーは、いつからどのように開発するかを示す開発スケジュール(工程表)を6月中に作成する。開発要請に対応することは4月からの新薬価制度で実施された新薬創出加算と関係しており、すでに4月に加算を受けたメーカーは一定期間内に開発要請に対応しなければ、加算が取り上げられたり、次回改定で加算が取得できなくなったりする。そのためメーカーは対応を迫られる仕組みになっている。

承認審査では、未承認適応薬については、使用にあたって十分な科学的根拠があるとされ治験せずとも承認申請を認める「公知申請」でもよいとなった場合は、同省は迅速に審査する方針。未承認薬などそれ以外の薬剤については、機械的に迅速審査を適用することはせず、薬剤ごとに判断するとしている。

本誌が取り上げてきたCAPSの治療薬としては、ノバルティスファーマが治験中のカナキヌマブ、現在国内開発メーカーがないリロナセプトが「医療上の必要性が高い」と判断された。要望されていたアナキンラは、CAPSの治療薬としては海外未承認であったため、検討から外された。

子どもにCAPS患者をもち、会議を傍聴した戸根川聡さんは、「2剤が開発要請の段階に入ったことが確認できたことは非常に有意義だった」とする一方で、アナキンラを使う患者もいることから「CAPS患者・家族の会」で「患者・家族さんたちと確認しながら、要望や意見を出すことも考えたい」と話した。

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