EFPIA Japan ドラッグ・ラグ/ロス問題と患者の治験情報へのアクセス課題で共同声明 産官学患協働で
公開日時 2024/12/12 04:50
欧州製薬団体連合会(EFPIA Japan)は12月11日、「ドラッグ・ラグ/ロス問題および治験情報へのアクセス課題に関する共同声明」を発表した。患者団体の代表やアカデミアを交えて10月9日に開催した「Patient Forum2024」の内容を実現する具体的アクションを共同声明としてまとめたもの。岸田前政権から石破政権に引き継がれた「基幹産業」としての位置づけをより強固なものにするため、「関係ステークホルダーが一丸となり取り組む」と強調したほか、治験情報を患者が取得しやすくするための規制緩和や制度の整備を提言した。
今回の共同声明に先立って開催された「Patient Forum2024」(10月9日開催・写真)では、ドラッグ・ラグ/ロスの課題や治験情報へのアクセスをテーマに「産官学+患者代表」を交えたディスカッションが行われた。患者代表からは、治験参加を希望する患者への情報提供で「薬機法の広告規制からの除外」を求める声や、治療薬以外のラグ・ロス問題の解消に絡めて、「現場の声を広く聞いて欲しい」などの声があがった。一方、アカデミアからは、速やかにイノベーションを患者に届ける観点から「選定療養の活用を図るべき」と提案や、治験情報の患者提供も、「企業・団体にも許すべき」との見解も披露された。
こうした議論を踏まえた共同声明では、①限りある医療財源を踏まえて、速やかにイノベーションを患者に届ける観点から優先順位付けを行うことが重要との認識のもと、継続的に国民皆保険の維持に関する議論を行う、②イノベーションを促進し、その成果を迅速に必要とする患者さんに届けるためにドラッグ・ラグ/ロスの品目を精査し、薬事制度や薬価制度を継続的に見直す、③患者が治験情報を取得しやすくなることを目的とし、規制の緩和をはじめとする制度の整備を進める―を強調。特に、患者の治験情報へのアクセスについては、「特にPMDAに届出された治験情報に関しては企業・団体からの情報提供を可能とする」との提言も盛り込まれた。
共同声明参加者は次の通り。▽一般社団法人希少がん患者会ネットワーク理事・眞島喜幸氏、▽ 慶應義塾大学名誉教授 医療経済研究機構副所長・印南一路氏、▽一般社団法人全国がん患者団体連合会理事長・天野慎介氏、▽一般社団法人日本難病・疾病団体協議会常務理事・辻邦夫氏、▽欧州製薬団体連合会(EFPIA Japan)会長・岩屋孝彦氏。