IFPMA 新型インフル対応は概ね適切と評価
公開日時 2010/07/05 04:00
国際製薬団体連合会(IFPMA)は6月24日、2009-2010年新型インフルエンザ・パンデミックについて、当時の保健当局、製薬企業の対応は概ね適切だったとしながらも、一部反省点も浮き彫りにした声明を発表した。声明では、ワクチンメーカーの観点から、適切な対応が出来たかを準備段階、国際協力、ワクチン製造技術問題など数項目で評価した。
準備については、H1N1新型インフルエンザのパンデミック以前に、各国規制当局とワクチンメーカーが協力、H5N1鳥インフルエンザ対応後という事情もあって、パンデミックへの高度な準備を整えていたため、迅速に対応できたとした。
国際協力では、H1N1ワクチンの開発・試験について、WHO(世界保健機関)とメーカーがワクチン生産量の改善・標準化などの課題を協力して解決したと評価。特にH1N1ワクチンの生産量が当初、季節性ワクチンの3分の1から2分の1だったにもかかわらず、これを改善した技術は今後に有用とした。
ワクチン供給の面では、新型インフル発生後、多数の国とワクチン供給について交渉が行われたが、事前に供給契約を確立することが、パンデミック時に複雑な交渉を行わなければならない事態を回避する方法と述べ、反省点とした。
また、行政面では、現行の承認制度の相互認証、無駄な官僚業務の排除などが安全性を担保しつつ、各国のワクチン入手を加速する方法であることを再確認している。
さらに反省点としては、米国では2010年1月半ばまでのワクチン接種率が37.1%であるにも関わらず、ギリシャでは17%にすぎないなど国によってバラツキがあると指摘、その原因にはメディアによるH1N1ワクチンの安全性についての誤った報道などがあるとし、行政当局は国民にワクチンの価値・安全性について啓蒙・啓発をするコミュニケーションの重要性を認識すべきとした。