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「SEARCH」試験  強力な脂質低下療法実施で心血管イベント発症リスクを6%減少

公開日時 2011/01/11 03:45

心筋梗塞歴のある被験者を対象とした無作為化二重盲検試験「SEARCH」の結果、シンバスタチン80mg/日投与する強力な脂質低下療法は、20mg/日を投与する標準療法と比べ、有意差はみられないものの、主要心血管イベントの発症リスクを6%減少させたことが分かった。学術誌「LANCET」の11月9日のオンライン版で報告された。


過去の臨床試験では、スタチンの高用量による強力なコレステロール低下療法が、低用量による療法と比べ、心血管イベントの発症率をさらに低下させる可能性が示唆されている一方で、有害事象への懸念が残っている。


SEARCH試験は、心血管イベントリスクの高い大規模な被験者を対象に、より強力なLDLコレステロール低下療法の有効性と安全性のバランスがとれた治療法の確立を目的に実施された。


18~80歳までの心筋梗塞歴のある男女で、スタチンによる治療中か、または同治療が必要とされる被験者1万2064人が対象。①シンバスタチン80mg/日(6031人)②シンバスタチン20mg/日(6033人)――に割り付け、2カ月目、4カ月目、8カ月目、12カ月目と、それ以降は6ヵ月ごとに評価した。スタチン療法中の被験者では総コレステロール濃度が最低3.5mmol/L、療法中ではない被験者は最低4.5mmol/Lであることを登録基準とした。主要評価項目は、複合主要血管イベント(心臓発作、心筋梗塞、脳卒中、または動脈血行再建術)の発症率とした。


被験者の平均年齢は64.2歳。約4分の3が試験参加前からスタチン療法を受けていた。追跡期間の平均は6.7年で、80mg群は20mg群よりも、LDLコレステロールが平均0.35 mmol/L低下した。


主要心血管イベントは80mg群で1477人(24.5%)、20mg群では1553人(25.7%)に発生し、非有意ながら80mg群では6%の相対リスク低下が見られることがわかった(リスク比0.94, 95% CI 0.88–1.01, p=0.10)。ただ、出血性脳卒中(80mg群0.4% vs 20mg群0.4%)や血管起因の死亡(9.4% vs 9.5%)、非血管起因の死亡(6.6% vs 6.6%)では、両群で差はなかった。


一方、有害事象として懸念された筋障害(ミオパシー)は、80mg群では0.9%、20mgではで、80mg群で、高い傾向がみられた。


この結果から著者らは、有意差はみられないものの、これまでの試験結果と一致するものであり、また80mg群で筋障害の上昇が見られたが、強力なLDLコレステロール低下療法は、安全に実行可能であると結論づけた。

 

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