田辺三菱 新規のC型慢性肝炎治療薬「MP-424」を国内承認申請
公開日時 2011/01/31 04:01
田辺三菱製薬は1月28日、新規のC型慢性肝炎治療薬「MP-424」(一般名:テラプレビル)を26日に日本で承認申請したと発表した。C型肝炎ウイルス(HCV)の増殖を抑制する経口治療薬で、HCVの複製に関与するNS3-4Aセリンプロテアーゼを阻害する新規機序を持つ。現在の標準療法はペグインターフェロンとリバビリンの48週間併用療法だが、両剤にテラプレビルを加えた3剤併用療法とすることで、治療効果の改善と治療期間の短縮につながることが国内フェーズ3試験で確認されている。
国内フェーズ3試験は、標準療法群と、テラプレビル、ペグインターフェロン、リバビリンの3剤併用療法群(以下、テラプレビル投与群)で比較検討した。テラプレビル投与群は、最初の12週間を3剤併用とし、その後の12週間をテラプレビルを除いた2剤併用とするデザインとなっている。その結果、SVR率(ウイルス持続陰性比率)は標準療法群49.2%に対してテラプレビル投与群73.0%と高い有効性が確認され、治療期間も標準療法の48週間に対してテラプレビル投与群は24週間に半分になる。また、前治療後再燃例や前治療無効例にも有効性が認められており、同社は「C型慢性肝炎に対する新たな治療法になることが期待される」とコメントした。
日本のHCV感染者数は150万~200万人と推定され、C型肝炎を適切な治療を行わないまま放置すると肝炎が徐々に進展し、20~30年で肝硬変や肝がんを引き起こすとされる。肝がんの原因の70~80%がC型肝炎によるもの。