フォレストラボラトリーズ パイプライン充実もLexaproの後継大型品見当たらず
公開日時 2011/05/13 04:00
フォレストラボラトリーズは、主力品の抗うつ剤Lexapro (escitalopram)の特許が2012年、アルツハイマー病治療薬Namenda(memantine)の特許が2015年に切れることを控え、パイプラインの充実を図っているが、今後、投資家を納得させる品ぞろえが出来るか正念場を迎えるといって良い。
フォレストの主力品特許切れによる売上減少のピークは2013年とみられ、同社はすでに、新薬の承認取得、申請準備、開発後期での品目の充実など対応を急いでいる。
COPD治療薬Daliresp (rofluimist)が2月28日、抗うつ剤Viibryd (vilazodone)が1月21日承認を取得、発売を間近にしている。このほか、2011年にはCOPD治療薬aclidinium、慢性便秘・IBD治療薬linaclotideの2品目、2012年中にもさらに2品目を申請予定だ。これら製品が同社の業績低下に歯止めをかけると見られるが、LexaproとNamendaの売上損失をカバーするには至らない見込みだ。
フォレストの子会社フォレスト・リサーチ・インスティチュートも導入品獲得に活動を強化している。一部証券アナリストは、フォレストの経営方針は何年も変わらず、投資家は2つの主力品に代わるものを求めているが、いまだそれを確信させるものがないと指摘している。しかし、一方では、同社は成熟市場製品を目指すのではなくアンメットメディカルニーズを追究すべきと指摘するアナリストもいる。
そのような製品では、フォレストが、Blue Ash Therapeutics LLCから導入した抗不整脈薬azimilideに期待が寄せられている。同剤はもともとプロクター&ギャンブル(P&G)が開発、P&Gが医薬品事業をワーナーチルコットに売却、その後、Blue Ashにライセンスされたもの。フォレストは同剤が虚血性冠疾患(ICD)の入院や死亡を減少させるとの期待を込め、今年第2四半期に臨床試験を開始する計画。
現在の同社R&Dパイプラインのなかで有望な医薬候補物質には、TransTech Pharma Incから導入したグルコキナーゼ活性化因子(GKA)のTTP399がフェーズIII、グルネンタールから導入した疼痛治療薬GRT-6005、GRT-6006のほか、January Clinical Data買収に伴い獲得した心筋血流造影剤StedivaseがフェーズIII試験実施中などが目立つ。これら製品がフォレストの今後にどのように貢献するか注目される。
(The Pink Sheet 4月25日号より) FDAと米国製薬企業の情報満載 “The Pink Sheet”はこちらから