これまでの研究から、虚血傷害に対する心筋保護作用が期待されていたエリスロポエチン製剤（ESA）だが、二重盲検試験REVEALでは梗塞巣縮小作用を認め得なかった。米国・ワシントン病院センターのSamer S. Najjar氏らがJAMA５月11日号で報告した。

REVEALでは、ST上昇型心筋梗塞（STEMI）例において、再灌流成功後４時間以内にエポエチンα 60,000Uワンショット静注を行い、梗塞巣縮小作用がプラセボと比較された。その結果、全体として梗塞巣縮小が認められないだけでなく、高齢者に限れば梗塞巣はESA群で有意な増大していた（左室要請に対する割合：19.9% vs 11.7%、p=0.03）。また心血管系イベントもESA群では４％と、プラセボ群に比べ有意（p=0.04）に高かった。 昨年の欧州心臓病学会で報告されたHEBE III [Eur Heart J. 2010; 31: 2593] に続き、STEMIの梗塞巣縮小にESA無効という結果となった。