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【ESCOリポート】マイナーストロークの急性期神経症候増悪・再発 主幹脳動脈病変、糖尿病、LDL-C値が予測因子に

公開日時 2011/07/20 04:00

 

 

 

 

急性期のマイナーストローク患者において、主幹脳動脈狭窄症、脳虚血病変の分布、LDL-C値、糖尿病は、マイナーストロークの急性期患者における神経症候増悪や脳卒中再発の有意な予測因子であることが示唆された。新日鐵八幡記念病院 脳血管内科部長の藤本茂氏が5月26日のポスターセッションで報告した。

 

 

 

急性期における神経症候増悪や再発は、マイナーストロークであっても予後不良と関連していると指摘されている。藤本氏らは、マイナーストロークにおける急性期の神経症候増悪と再発の予測因子を検討した。
 

対象は、福岡県内の7施設で登録されている観察研究「Fukuoka Stroke Registry(FSR)」に登録された発症から7日間以内の虚血性脳卒中の入院患者3062例のうち、NIHSSスコア7以下で、発症前mRSが0または1点の患者2113例。入院後3週間、臨床経過と転帰を観察した。転帰は、modified Rankin Scale(mRS)0[全く症状なし]~1[何らかの症状はあるが障害はない]を良好、神経症候の増悪はNIHSSスコアで1点以上悪くなったものと定義づけた。
 

神経症候増悪または脳卒中再発は全体の16%(338例)にみられた。TOAST分類による病型分類では、small-vessel occlusionは12.2%(80例/658例)、large-artery atherosclerosisは18.3%(87例/475例)、心原性脳塞栓症は15.6%(45例/289例)、その他は18.2%(126例/691例)で、TOAST分類による病型分類で有意差がみられた(P値=0.0084)。
 

神経症候増悪あり群(338例)となし群(1775例)に分け、患者背景を比較すると、あり群では糖尿病(42%対32%、p=0.0007)、主幹脳動脈狭窄症(35%対28%、p=0.0133)を合併する患者が有意に多かった。また、LDLコレステロール(LDL-C)値も、あり群の122.1±36.5mg/dLに対し、なし群では116.6±34.7mg/dLで、あり群で有意に高い結果となった(p=0.0100)。
 

一方で、有意差はないものの、最大頸動脈内中膜複合体厚(IMT)があり群で厚い傾向がみられた(1.87±1.55対1.69±0.97、p=0.0624)。また、発症前内服薬では,ワルファリンは、なし群で多く投与されている傾向がみられた(6.8%対10.0%、p=0.0683)。
 

これらの結果から、藤本氏は「脳主幹動脈狭窄症、虚血性病変の分布、LDL-C値、糖尿病は、急性期のマイナーストローク患者における神経症候増悪や再発の有意な予測因子である。発症前のワルファリン投与も、増悪や再発のリスクを減らすかもしれない」と結論付けた。

 

 

 

 

 

 

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