人工股関節置換手術にクレーム
公開日時 2011/09/08 04:00
人工股関節置換手術(hip replacement)に関するクレームがFDAに殺到している。NY Times の調べによれば、今年1月以降だけでクレーム件数はすでに5000を超え、昨年以前の4年間を積算したクレーム数をはるかに上回っている。クレームの大半は手術後すぐに人工股関節が機能しなくなってしまったというもので、 人工股関節そのものの品質に問題があると見られている。ちなみに、一般には人工股関節の耐用年数は15年以上である。(ジャーナリスト 西村由美子)
もっとも問題となっているのは Johnson&Johnson 社の A.S.R.( Articular Surface Replacement)で、昨年8月から同社が自主的に回収を開始していた製品である。アメリカ国内だけですでに4万程度は使用されているという。
http://www.investor.jnj.com/releasedetail.cfm?ReleaseID=502694 http://www.nytimes.com/2010/08/27/business/27hip.html
問題となっているもう一つの製品はZimmer社のDurom Cupで、こちらはアメリカ国内ですでに2万程度使用されているという。
http://www.zimmer.co.uk/ctl?template=MP&op=global&action=1&id=9783
人工股関節置換手術はアメリカでもっとも件数の多い手術のひとつ。年間25万件程度は実施され、アメリカ国内で約50万人が人工股関節を使っていると推定されている。したがって、このまま問題が拡大すれば、人工置換手術用医療機器としては2007年のMedtronic社による大量の製品リコールに次ぐ大規模な回収になるのではないかと懸念されている。
http://medtronicrecallinfo.com/
インタネット上では多くの弁護士事務所が「すこしでも問題を感じていたら臆せずクレームするよう」呼びかけているのは、いかにも訴訟大国アメリカである。
http://www.lieffcabraser.com/personal-injury/case/338/depuy-hip-implant-recall-lawsuit?gclid=CKfFuvDj-qoCFSgbQgodR3MRzQ