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【高血圧学会リポート】東日本大震災 被災者の血圧値上昇が約1か月間継続

公開日時 2011/11/02 04:00

 東北大学大学院薬学研究科医薬開発構想寄付講座の佐藤倫広氏は、東日本大震災の被災地・仙台市では高血圧患者の血圧値上昇が震災後1カ月程度までつづいていたとの調査結果を明らかにした。10月20日から栃木県宇都宮市で開催された第34回日本高血圧学会総会で報告されたもの。


佐藤氏らによる調査は、高血圧専門外来受診中の患者142人が対象。対象者の震災前平均収縮期血圧値126.0±9.2mmHgは、震災直後129.3±9.6mmHgと有意に上昇。震災後2~4週目でも平均128.5±9.2mmHgと高値が続いていた。一方で拡張期血圧の有意な上昇は認められなかった。


また、対象者のうち震災当日とその後3日間の朝の家庭血圧を測定していた10例でサブ解析を行ったところ、10例の平均収縮期/拡張期血圧は震災翌日に前日比で平均11.6±12.6/3.9±7.9mmHgと急激な上昇をみせていた。


◎CKD患者の血圧値変動 被災地周辺でも有意な上昇認める


一方、震災関連では被災地近傍でも高血圧患者の血圧値上昇が報告されている。22日の同学会一般演題で福島県立医科大学腎臓高血圧内科の田中健一氏は震災前後の福島市を中心とする慢性腎臓病(CKD)患者の血圧値変動について「直接的な被害の少ない被災地周辺地でも有意な血圧値上昇が認められた」と報告した。


田中氏らは同科外来を震災後の3月22日~4月4日までに受診した患者を対象にCKD群132例と対照群108例で血圧変動を検討。両群とも患者の居住地は福島県の主要被災地である沿岸部から約50km離れた福島市在住者が3分の2を占め、その他の患者も福島市周辺在住者で避難などを強いられた人はいなかった。 患者背景では、CKD群で年齢、RAS阻害薬併用率が有意に高く、拡張期血圧、eGFRが有意に低かった。


両群とも震災後1~3週間目に有意に収縮期血圧値、拡張期血圧値が上昇したが、5~10週目に震災前のレベルまで低下していた。CKD患者のみで検討すると、男性よりも女性、RAS阻害薬非服用者よりも服用者が1~3週目の収縮期・拡張期血圧値が有意に上昇していた。また、Ca拮抗薬服用患者では収縮期血圧値が1~3週目に上昇していたものの有意差はなく、α遮断薬・β遮断薬・中枢系交換神経系抑制薬の服用者では、収縮期・拡張期ともに震災前後で血圧値の変動はなかった。CKD患者の平均血圧値上昇と各因子との多変量解析では、女性、震災前血圧値、α遮断薬・β遮断薬・中枢系交換神経系抑制薬の服用が血圧上昇に対する独立因子だった。田中氏は「CKDに対しては災害時の血圧上昇により注意が必要であり、その対策については今後さらなる検討が必要である」との見解を表明している。
 
 

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