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【ASH速報】MAGELLANサブ解析 D-dimer高値がVTE発症の予測因子に

公開日時 2011/12/19 06:00

D-dimer値が、静脈血栓塞栓症(VTE)の独立した予測因子であり、高リスク患者を特定できることが明らかになった。急性内科疾患による入院患者を対象に、ファクターⅩa阻害剤・リバロキサバンとエノキサパリンのVTE予防効果を比較検討した「MAGELLAN試験」のサブ解析の結果分かった。英国・King’s College HospitalのAlexander Cohen氏が、米サンディエゴで開催された第53回米国血液学会(ASH)年次学会のオーラルセッションで、12月12日報告した。

すでに発表されたMAGELLAN試験の本解析の結果から、リバロキサバンの投与によるVTEの発症予防効果は、投与から10日後の解析ではエノキサパリンへの非劣性を示し、35日後の解析ではエノキサパリン+プラセボより有意に優れていることが示されている。ただし、リバロキサバンの投与により、出血リスクが有意に増加することも示された。また、単変量解析による予備データでは、ベースラインのD-dimer値がVTEの予測因子であることが示されていた。また、別の臨床試験結果から、D-dimerの上昇がVTEリスクを予測することはすでに示唆されていた。


今回の解析では、D-dimer値とVTE発症リスクとの関連性と、VTEリスクに対するリバロキサバンの予防効果との関係を、多変量解析で検討した。D-dimer値は、1日目に2回、10日目と35日目に1回ずつ、計4回測定した。その結果、D-dimer(中央値)は、正常上限値(ULN)の約2倍の0.94 μg/mLだった。今回の解析は、D-dimer値が正常上限値の2倍を上回る被験者(>2 x ULN、以下高値群)と、2倍以下の被験者(≤2 x ULN、以下低値群)の2つのグループに分け、検討した。

両群ともに、D-dimerが高値群では高齢で、低体重が多く、また急性内科疾患の中でも心不全やがん、感染症の有病率が高い傾向がみられた。



◎D-dimer リバロキサバンの延長投与に適切な患者集団の特定にも有用か?




多変量解析の結果、ベースラインのD-dimer値が、35日後のVTE発症リスクに関連する3番目に強い独立因子であることがわかった。D-dimer高値群の低値群に対するオッズ比は2.29だった(95% CI: 1.75 – 2.98、p<0.0001)。


逆にVTEの発生の有無により、ベースラインのD-dimer値を見たところ、イベントが発生しなかった群では平均1.35mg/dLだったのに対し、リバロキサバン群で10日目にイベントの発生がある群は、平均2.14mg/dLで、高い値となる傾向がみられた。同様の傾向は、リバロキサバン群の投与後35日目、11~35日目、エノキサパリン群の全ての時点でみられた。

ベースラインのD-dimer高値では、10日後のVTE発生率がエノキサパリン群で4.2%だったのに対し、リバロキサバン群は3.7%と、リバロキサバン群で低い傾向が見られた。35日目の発生率はそれぞれ9.3%、6.5%、11~35日目の発生率はそれぞれ6.4%、3.4%と、さらにその傾向性が強くなっていた。一方、D-dimer低値では、どの時点でも発生率に差はみられなかった。

これらの結果からCohen氏は、「D-dimer値はVTEの独立予測因子で、ベースラインのD-dimer値により、VTEの高リスク患者を特定できる可能性がある」と指摘。特に>2 x ULNの高リスク患者に対する、リバロキサバンの使用は、前向きな便益プロファイルを示唆したと結論した。


また、35日目までにイベントが発生した被験者では、10日目のD-dimer値も高い傾向があったことから、「治療開始から10日後のD-dimer測定により、リバロキサバンの投与延長が最も適切な患者の特定が可能かもしれない」とコメントした。

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