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〈SWIFT〉 SOLITAIRE 症候性頭蓋内出血を伴う再開通の頻度 Merciに優越性示す

公開日時 2012/08/01 04:00

 

新たなデバイスである、ステント型血栓回収デバイス“SOLITAIRE”の使用により、JL Saver氏現在汎用されているMerici Retriverと比べ、症候性頭蓋内出血を伴わない再開通の頻度を有意に上させ、優越性を示すことが分かった。2つのデバイスの臨床成績を直接比較した臨床第3相試験「SWIFT(SOLITAIRETM FR With the Intention for Thrombectomy)」試験の結果から分かった。2月3日に開かれたLate-breaking Sessionで、JL Saver氏が報告した。

 

SOLITAIREは、血管サイズ2~5.5mmまで伸縮するステント型血栓回収デバイス。試験は、SOLITAIREの有効性・安全性を現在汎用されているMerici Retriverと比較検討する目的で実施された。


対象は、①急性虚血性脳卒中の臨床症状が継続②NIHSS8~29点③アンギオグラフィーで、中大脳動脈M1、M2がTIMI血流分類で0または1④発症8時間以内の治療が可能⑤t-PA静脈投与の対象外または失敗した――などを満たす22~85歳の中~重症脳梗塞患者144例で、主に米国18施設から登録された。


113例(SOLITAIRE群58例、Merci Retriver群(以下、Merci群)55例)対象の中間解析で有効性に2群間で有意差がみられたことから、早期中止がなされている。患者背景には両群間に大きな差はみられなかった。主要評価項目は、症候性頭蓋内出血を伴わない、再開通の成功率。


その結果、主要評価項目は、Solitaire群では60.7%(34例/56例)で、Merci群の24.1%(13例/54例)で非劣性に加え、優越性も示した(非劣性:p<0.0001、優越性:p=0.0001)。表


90日後の神経学的予後良好(mRS≦2)は、Solitaire群で58.2%(32例/55例)に対し、Merci群では33.3%(16例/48例)で、Solitaire群で有意な優越性を示す結果となった(p=0.0001、0.017)。90日後の死亡率は、Solitaire群は17.2%(10例/58例)で、Merci群の38.2%(21例/55例)を有意に下回る結果となった(p=0.0001、0.020)。


一方、症候性頭蓋内出血の発生率は、Solitaire群の1.7%(1例/58例)に対し、Merci群では10.9%(6例/55例)で、Solitaire群で有意に低い発生率だったが、優越性までは示せなかった(p<0.0001、=0.057)。頭蓋内出血の発生率は、Solitaire群で17.2%(10例/58例)、Merci群で38.2%(21例/55例)だった(p=0.0001、0.020)。


デバイスに関連した重篤な有害事象の発生率は、Solitaire群で8.6%、Merci群で16.4%だった(p=0.26)。


これらの結果から、Saver氏は「Solitaireは、症候性頭蓋内出血を伴わずに、再開通を成功させる上で、Merci Retrieverよりも、優れたデバイスだ」と述べた。この理由として、再灌流率の増加、症候性頭蓋内出血の頻度減少、死亡率の減少、3カ月後の神経学的臨床転帰良好の頻度の向上が挙げられるとした。

 

 

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