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MRの悩みの相談に乗ってくれる本たち

公開日時 2013/03/05 04:00

イーピーエス株式会社
榎戸 誠

【小さな恋人】

雨が降らない限り、バスに乗らずに、毎朝、自宅から最寄り駅までの裏道を20分かけて歩くようにしている。歩数計では2,500歩の距離であるが、途中で思わぬアイディアが閃いたり、悩んでいる課題の解決策が浮かんできたりする。

最近、異変が生じた。幼稚園に向かうベレー帽を被ったかわいい女の子から、すれ違う際に、「おはようございます」と挨拶されるのだ。しかも、ちゃんと私の顔を見上げながらである。前と後ろに大きなゴミ袋を乗せた自転車を引いているお母さんに伴われている。時には、女の子も小さなゴミ袋をちゃんと持って、ゴミ出しのお手伝いをしているではないか。焼き餅焼きの女房には内緒だが、小さな恋人との出会いが朝の楽しみになっている。

閑話休題。

【頼りになる本たち】

MRというのは、やりがいのある素晴らしい仕事である。もちろん、喜びだけではなく、悩みも生じる。どんな一流MRであっても、常に順風満帆ですいすいといけるほど甘い世界ではないからだ。
悩みにぶつかったとき、心置きなく相談できる人が身近にいたら、どんなに救われることだろう。

そういうときは、入社して3~5年が経過したMRの悩みに答える本『文献にマーカーを引いて持っていったら叱られた。なぜだろう?』、あるいは、女性MR特有の悩みの相談に乗ってくれる本『女性MRお悩み解消実用辞典』を開いてみよう。

【MRの先輩からのアドヴァイス】

若いMR諸君の悩みに答える本を書きたいとかねがね考えてきたが、まだ実現できていない。『文献にマーカーを引いて持っていったら叱られた。なぜだろう?――MRが悩んだときに開く本』(友石和登著、SCICUS<サイカス>)を読み終わったとき、この本の中で私の願いが見事に実現されていることを知った。それもそのはず、この書には、著者のMRとして、営業所長として、研修課長としての経験と、後輩への熱い思いが凝縮しているからだ。

【悩みを乗り越える方法】

著者は、MRになって3年目、5年目にスランプに陥るMRが多いという。開業医担当から病院担当に変ったときもスランプになり易いという。私も開業医担当から大学・基幹病院担当に変わったとき、戸惑い、大いに悩んだが、先輩のちょっとしたアドヴァイスに救われ、危機を乗り越えた経験がある。このように先輩に悩みを相談できればそれに越したことはないが、そうできないケースもあるだろう。そういうとき、悩みに親身に答えてくれるのが本書だ。

【具体的な81の解決策】
  • 本書で取り上げられている悩みと解決策のうちのいくつかを見てみよう。
  • 医学雑誌を客観的に評価するには?→インパクト・ファクターとアイゲン・ファクター。
  • 達成率悪化の負のスパイラルから抜け出すには?→ターム(期間)を見据えて戦略を考え、課題進行表に沿って仕事を進める。
  • 強いメーカーと競合していて、訪問回数も敵わない場合には?→「ここだけは勝っている点」を明確にする。
  • 苦手な先生を苦手でなくする方法とは?→熱意は以心伝心で必ず伝わる。
  • 「結果を求めない」クロージングと「結果を求める」クロージングとは?→結果よりも重視される提示力と提案力。
  • 訪問規制の中で勝ち残るには?→「私にはこれだけの情報提供ができます」。
  • 効率よく先生を訪問するには?→先生の行動パターンの把握、自分の行動パターンの確立。
  • 「出待ち」の時間を有効に使うための工夫とは?→無駄と考えず、きっかけを作る場と捉える。
【女性MRが悩みを解消する方法】

医薬品業界では、近年、女性MRの存在感が増してきている。『女性MRお悩み解消辞典』(岩田やよい著、医薬経済社。出版元品切れだが、amazonなどで入手可能)は、6年間のMR経験を有する先輩女性MRが後輩MRに、自らの経験、悩み、その解消法を率直に伝えたいという思いに満ちている。女性MRにとって必読の一冊と言えよう。

  • 自分の希望以外の地区に配属されてしまった女性MRには、「気持ちを切り替えて、配属期間を長期旅行と考えよう」と呼びかけている。先ずは担当地域の旅行ガイドブックを購入する。お薦めは旅行雑誌「るるぶ」(JTBパブリッシング)と、アドヴァイスが具体的で行き届いている。
  • 「もし、説明会で答えられない質問があったとしても動揺せず、次に訪問するネタにしてしまおう」という開き直り精神も、時には必要となる。
  • 「女性は朝、化粧して、髪整えてと支度に時間がかかるので、つい朝食は抜きがち。しかし、『朝食は金、昼食は銀、夕食は鉛』なので、炭水化物のものを1つ、食べて出かけるべし」と、女性ならではのアドヴァイスも。
  • 「いい上司に恵まれると仕事に対して積極的になり、希望が持てるようになる。いい上司に巡り合えるかどうかで、その後の仕事に対する思い入れや取り組み方が変わってくる。男性より女性にこの傾向が強い。ただ、残念ながら上司は選べない」。だからこそ、「あなたの心の中で絡まった糸をほぐしてくれる、困った時や行き詰まった時にそっと声をかけてくれるメンター(助言者)を探そう」と勧めている。
  • この本は、「女性MRが配属になった男性MR・上司へ」というタイトルの一章が添えられているので、男性MR、上司にも薦めたい。
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