独サンド ジェフ・ジョージ社長 バイオシミラー「強力なプレイヤーのみが生き残る」
公開日時 2013/03/08 04:00

独サンドのジェフ・ジョージ社長は来日し、3月7日に都内で記者会見した。バイオシミラー事業について「簡単ではない」とし、開発には臨床試験、薬事、製造に「スキルを持ち合わせていないといけない」ことを理由に挙げ「強力なプレイヤーのみが生き残る」との認識を示した。具体的な会社を名指ししなかったが、グローバルでジェネリックメーカーではリーダーの同社ほか、イスラエルのテバなどが手掛け、新薬メーカーではベーリンガーインゲルハイム、メルク、ファイザーなどが参入しており、こういった状況を念頭を発言したものとみられる。
バイオシミラーは日本では同社のヒト成長ホルモンほか、新薬メーカーなどからEPO製剤、G-CSF製剤が登場している。会見に同席した日本法人の中道淳一社長は、「バイオシミラーの発展を考えると、しっかりした会社が手掛けることは良いこと」との見方を示し、同社も「第2、第3、第4の上市を目指し開発している」と説明した。開発製品は明らかにしていないが、グローバルでは抗体医薬含む抗がん剤、関節リウマチなどを取り扱いたいとしていることから、日本でも同様の製品の投入を検討することになる。
中道社長は、2017年ごろから新薬の特許切れは低分子医薬品が少なくなる一方でバイオ製品が増えてくるとして「バイオシミラーの成功は成長の前提条件とまでは言わないが、バイオシミラーに立ち位置がないとハンデキャップになる」と話し、バイオシミラーとジェネリックを両輪に事業展開していくことを改めて説明した。
同社のグローバルでのバイオシミラー事業の売上高(11年)は、3億3500万ドルで、世界市場の53%のシェアを持つ。日本で同社が販売する唯一バイオシミラーであるヒト成長ホルモンの売上状況については「思ったところに着地している」(中道社長)という。