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レベチラセタム長期投与で発作消失例も てんかん原生抑制効果が影響?

公開日時 2012/08/23 05:00

難治性部分てんかんに対するレベチラセタム投与では、投与初期に発作減少効果が認められないにもかかわらず、投与4~5年後から発作が減少し消失に至る例があることが分かった。報告した国立病院機構名古屋医療センター神経内科の小林麗氏らは、この原因として、レベチラセタムにてんかん原性抑制効果がある可能性が示唆されたとしている。小林麗氏


日本国内では、レベチラセタムの長期使用成績はほとんど報告されていない。そのため、小林氏らはレベチラセタムの長期投与成績を検討する目的で、検討を行った。


対象は、既存の抗てんかん薬(1~3剤)治療でも12週間に12回以上の発作がある難治性部分てんかん症例のうち、2001~06年にレベチラセタム追加投与二重盲検比較試験に登録され、現在も同薬投与が継続されている6例。患者日誌、診療録で1カ月ごとの発作頻度と有害事象を検討した。


対象は男性2例、女性4例。最新のレベチラセタム1日投与量は2000mgと2500mgが各1例、3000mgが4例だった。てんかん分類は側頭葉てんかん5例、後頭葉てんかん1例。発作分類は複雑部分発作5例、二次性全般化発作1例だった。併用薬(てんかん薬、複数回答)は、カルバマゼピンが4例、ゾニサミドとフェニトインが3例、バルプロ酸が2例、クロナゼパムとフェノバルビタールが各1例だった。


その結果、レベチラセタム投与開始から4~10年で、発作消失が1例、発作頻度が50%以下に減少した症例が1例だった。発作消失の1例は、投与3年目までは発作の減少は認められず、投与開始4~5年目以降に発作減少が見られ、現在は発作消失に至っている。

一方、投与初期に発作がかなり減少したものの、その後は初期のような効果は持続しなかった症例も3例みられた。

有害事象は、眠気が2例、投与初期の気分変調・イライラが1例に認められた。


長期投与により発作が消失した例について小林氏は「抗発作作用が4~5年後に現れるとは考え難い」との見解を表明。その原因に関して、てんかんの動物モデルで認められているレベチラセタムのてんかん原性(脳が自発的に発作を起こすてんかん焦点を形成する過程)に対する抑制効果の可能性を指摘した。


その上で、「レベチラセタムがヒトで既に形成されたてんかん原性を抑制・治癒させる効果については結論が得られておらず、発症から10年以上経過している今回の発作消失例で、てんかん原性抑制効果をそのままあてはめることは難しいかもしれないが、直接的な抗発作効果とは別に、長期使用によって得られる何らかの作用があると推測される」との見解を示した。

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