アキュリスファーマ てんかん発作に対する抗けいれん薬・ジアゼパム点鼻液を承認申請
公開日時 2024/09/03 04:48
アキュリスファーマは9月2日、てんかん発作に対する抗けいれん薬・ジアゼパム点鼻液を承認申請したと発表した。同点鼻液は厚労省から希少疾病用医薬品の指定を受けている。承認された場合、国内初の経鼻投与型抗けいれん薬となり、成人においては初の医療機関外で投与可能なレスキュー薬となる。また、承認されれば、同社にとって最初の製品となるが、販売体制やMR体制について、「検討中のため非開示」としている。
ジアゼパムは、注射剤などの剤形でてんかん発作時の治療薬として日本の医療現場で約60年使用され、坐剤は医療機関外においても患者や介護者などにより使用されてきた。より簡便に使用できるジアゼパム点鼻液は米国Neurelis社が開発したもので、アキュリスが日本およびアジア太平洋地域の独占的開発・商業化に関するライセンスを有し、日本での開発を進めている。
てんかん患者の多くは適切な治療によって通常の社会生活を送ることができるが、薬物治療で発作のコントロールが難しい難治性てんかん患者は2~3割存在する。発作が異常に長引いたり、何度も繰り返す重積状態に至ると、脳へのダメージや長期的な神経学的後遺症を引き起こすため、速やかな治療介入が極めて重要になっている。
同社の谷垣任優社長はジアゼパム点鼻液について、「有効性と安全性が臨床試験によって確認されていることに加えて、経鼻投与製剤というてんかん発作に対して簡便に使用できる剤形により、自宅や外出先など医療機関外での緊急治療に寄与し得ると期待している」とコメントしている。