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流改懇 GE80%達成で卸連 仕切価・割戻しの見直し、新バーコード表示の浸透など求める

公開日時 2015/06/18 03:50

厚労省の「医療用医薬品の流通改善に関する懇談会」(座長=嶋口充輝慶應義塾大学名誉教授)が6月17日開かれ、後発医薬品(GE)数量シェア目標値が80%に引上げられる中で、日本医薬品卸売業連合会(卸連)は一般名処方の徹底や、共同開発の見直し、新バーコード表示の浸透、卸機能を適切に評価する仕切価・割戻しの設定を求めた。流改懇では、一次売差マイナスと割り戻し・アローアンスの拡大傾向の改善、未妥結仮納入の改善、単品単価の推進など流通改善策を今夏にも提言としてまとめる。提言は、厚労省が8月末までに策定を進めるGE80%達成のための総合戦略に反映させる。
 

卸連は、GE数量シェア80%が達成されると、全医療用医薬品の数量ベースで50%超がGEになるとの推計を提示。カテゴリーチェンジが加速するとした上で、「このような急激な拡大は卸経営時に甚大な影響を及ぼす」との見方を示した。その上で、要望として、①一般名処方の徹底、②GEの品目数が適正となるよう、共同開発の在り方の見直し、③GE新発売の際には、ロット番号や有効期限などの変動情報を含む新バーコード表示の徹底、④卸機能を適切に評価する仕切り価・割戻しの設定—を要求した。


◎進まぬ新バーコード表示 製造ラインの増設などが
壁に


新バーコード表示は、内用薬や注射薬、外用薬は任意とされており、浸透率が低い。元梱包包装単位では比較的進捗はよく増加傾向だが、販売包装単位は依然として低率だ。たとえば内用薬で有効期限、製造番号・製造記号を表示しているのは8.5%、外用薬では1.7%にとどまっている。


日本製薬工業協会、日本ジェネリック協会ともに、「積極的に取り組んでいる」姿勢を強調したが、コスト増となることから、個々の企業が置かれている状況への理解を求めた。


日本ジェネリック製薬協会の佐野俊博流通適正化委員会委員長は、GE数量シェア目標値が引き上げられる中で、「真っ先に取り組むべき課題が安定供給。増産体制をいかに確保するかが最優先課題と認識している」と述べた。


その上で、新バーコード表示のためには、「数億から数十億の投資が必要。生産ラインに余裕がない場合は、製造ラインの増設、建屋の増設も必要。そのため、生産の前倒し、在庫の確保が必須になる」と指摘。「GEメーカーの生産スケジュールはJRのダイヤのように過密である。その中で、どのように組み込むかが大きな問題」との認識を示した。


◎一次売差マイナス拡大 カテゴリー別の価格設定を


薬価については、仕切価が12年度と比べ0.1%増加した一方で、納入価は0.5%減少し、一次売差マイナスは0.6%拡大した。薬価差は0.5%増加し、卸の素利益率は0.4%減少した。一次売差マイナスの改善の観点からは、やや後退したことも報告された。
 

この点について卸連は、新薬創出加算の試行的導入以降、市場構造が大きく変化したと指摘。2014年度の売上でみても、新薬創出加算は13%、GEが10%の伸びを示す中で、長期収載品は12%低下した。卸連は、各カテゴリーに応じた価格体系設定を改めて要望した。新薬創出加算品目については、スペシャリティー領域とその他の品目でカテゴリーを分けることも検討すべきとした。
 

◎エッセンシャルドラッグ 市場実勢価格によらない価格付け考慮を


そのほか、総合戦略の柱のひとつである、エッセンシャルドラッグの安定供給の推進については、日本私立医科大学協会の小山信彌病院部会担当理事は、「高額な薬と同じような薬価の決め方をしていくことにそろそろ問題が出てきているのではないか」と指摘。新薬創出加算品などは市場実勢価格に基づいた価格算定を行う一方で、それとは異なる価格付けを求め、「エッセンシャルドラッグは少し価格の決め方とは違うやり方をしていかないといけないのではないか。汎用品が突然なくなるのは非常に困る。ぜひ考慮していただきたい」と述べた。

 

 

 

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