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医療経済研究機構など 知的障害児の精神疾患・行動障害の薬物療法で共同実態研究 診療GLの整備必要

公開日時 2016/11/30 03:50

医療経済研究機構は11月29日、同機構の主任研究員・奥村泰之氏と横浜市南部地域療育センターの井上祐紀所長、横浜市立大学の藤田純一助教による知的障害児に併存する精神疾患・行動障害に対する薬物療法の共同実態研究の概要を発表した。健康保険組合に加入する知的障害児2035人の精神疾患・行動障害に対する薬物療法の実態を2012年4月から1年間調べた結果、知的障害児の12.5%に抗精神病薬が処方され、年齢別では12~14歳で19.5%、15~17歳では27.0%に上った。処方児童の半数は処方期間が年306日以上(中央値)。副作用発現リスクが懸念される抗精神病薬の多剤処方(2剤以上、31日以上連続処方)の割合は16.9%で、年齢が上がるにつれて増える傾向がみられ、15~17歳では24.3%に上った。

知的障害児に併存する精神疾患・行動障害に対する薬物療法の実態を明らかにした大規模調査はこれまでなかったという。この研究成果は「精神神経学雑誌」に掲載された。同機構は、抗精神病薬の処方割合が統合失調症の一般有病率(0.3~0.7%)を上回っていることから、同薬が統合失調症の治療ではなく「行動障害などの治療のために使用されている可能性が高いと考えらる」と指摘。必要な取り組みとして▽知的障害児に対する行動障害の診療ガイドラインを整備すること▽より安全な薬物療法を担保するために、副作用のモニタリング等を制度化することが求められること--が示唆されるとしている。

発表によると、知的障害を有する人は、統合失調症などの精神疾患や、自傷行為などの行動障害を併存することが少なくない。世界精神医学会による知的障害に対する行動障害の診療ガイドラインでは、行動障害の背景に精神疾患が認められない場合は、子供の特性に応じた環境調整や、行動障害の原因・背景を正確に評価しそれに基づく適切な対応を行う行動療法などの非薬物的対応を第一選択とするよう推奨されているという。

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