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ノボ ベック社長 国内売上高は対前年比5.3%減 「薬価改定が影響」と指摘

公開日時 2019/04/17 03:50
ノボ ノルディスク ファーマのオーレ ムルスコウ ベック社長は4月16日、2018年の国内業績について東京都内で記者会見に臨み、売上高は873億円で、対前年比5.3%減収になったと発表した。売上高比率は61%が糖尿病領域(前年比6%減)、39%が血友病などのバイオファーマ領域(同5%減)だった。ベック社長は減収の要因に触れ、18年4月の薬価制度抜本改革に伴う影響が大きかったと述べた。そのうえで20年4月の次期薬価改定に向けて、「患者のベネフィットという観点も含め、イノベーションの定義をきちんと考慮してほしい」と改めて訴えた。

ベック社長は会見で、売上減少の要因として、薬価改定の影響に加え、超速効型インスリンアナログ注射液のノボラピッドが新薬創出等加算品目の対象から外れたことで薬価が18%下がったことが影響したと説明。このほか、持効型基礎インスリンのトレシーバや、トレシーバの成分と超速効型成分を配合したインスリン製剤ライゾデグも、薬価算定ルールの影響により、新薬等創出加算の対象外となったとして、「この2製品の薬価は4%下がった」と影響を指摘した。

◎経口剤のセマグルチドに期待 申請はペン製剤と同時期か

今後の戦略については、日本市場において長期的な成長のキードライバーになる製品の開発が進捗していると説明。2型糖尿病の治療に用いる1日1回経口投与のGLP-1アナログ製剤セマグルチド(一般名)については、「今後経営の柱になる。承認申請に必要な臨床試験はすべて終了し、承認申請の準備を行っている」(杉井寛常務取締役開発本部長)と期待を寄せた。

セマグルチドをめぐり同社は18年11月、オゼンピック皮下注2mgの薬価収載希望を取り下げている。同社によると同剤は、通常、週1回、0.5mgを維持用量として皮下注射で用いるため、既承認の2mg製剤では4週間分が含有されるなか、薬価収載から1年間、14日投与日数制限がかかれば、2mg製剤では承認用量に完全に対応できないと判断し、取り下げを決めたという。同社では、承認用量に対応した単回投与のペン製剤を開発・申請して、上市を目指すこととしているが、ベック社長は、同剤の上市について、経口投与のセマグルチドとほぼ同時期との見通しを示した。ベック社長は、「今後は患者が週1回の注射剤か、1日1剤のタブレットかという選択肢を与えられる」と意義を強調し、数年内に上市する考えを示した。

◎取引卸の見直し「効率的なオペレーションが必要だった」

このほかベック社長は、一部の取引卸との契約を更新しなかった理由について言及した。ベック社長は、薬価制度抜本改革を通じ、今後3年連続の薬価改定に対応せざるを得ないなど、業界環境の変化が背景にあると説明した。また取引卸の見直しに伴い、「デポの数を25%、配達や請求書の数も33%削減できた」と意義を強調したうえで、流通政策を見直すなかで「効率的なオペレーションが必要だった」との見解を示した。 
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