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MR認定センター 適正使用を推進するMR活動の理論武装に意欲 「MRバッジ着用義務化」も

公開日時 2019/09/02 03:51
MR認定センターの近澤洋平事務局長は8月31日に東京都内で開催した「2019年度教育研修責任者会議」で講演し、「MRは医薬品の適正使用推進に必要だという理論武装しなければならない。これこそが我々に課せられたに義務だ」と述べ、センターの事業構造改革とMR認定制度の抜本改革に取り組む決意を表明した。同センターの田中徳雄専務理事(製薬協常務理事兼任)は会議の総括で、MR認定証の発行に際し交付する「MRバッジ」について、「安全性重視の活動をやるためにバッジの着用を義務化したい」と述べ、製薬各社に要請する考えを明らかにした。

近澤事務局長は講演で、「MRが悪者になってきたとの論調があるが、MRはむしろ被害者かもしれない」と強調。「(不適切な情報提供を)助長する資材を企業が作成し、その活用を教育するという取り組みにこそ問題があった。MRの資質向上を図らなければならないが、それ以上に企業の姿勢を質さなければならない」と指摘した。製薬業界を取り巻く環境の変化にも触れ、「薬価制度の抜本改革があり、企業の収益構造が厳しくなると、すべて足し算の政策というわけにはいかない。効率性や実効性を考慮したMR認定制度の抜本改革が求められる」と述べた。

センターは2018年2月に「MRの資質向上を目指した継続教育の充実について」と題する継続教育検討委員会の報告書を作成。19年4月には事業構造改革検討会議の検討結果報告書も公表した。近澤事務局長はこの日の講演で、「これまでは(情報提供をめぐり)何か問題があると、充実強化としてヒト・モノ・カネを重点投資し、これまで以上に教育の時間やスタッフを増やすというのがMR教育の論調だった」と振り返りながらも、「これからはMRが適正使用の推進に必要な存在だということをしっかりと理論武装する」と述べ、厚労省の販売情報提供活動ガイドライン(GL)の趣旨に沿った改革に取り組む姿勢を鮮明にした。

◎MRの将来ビジョン 医療関係者から信頼されるパートナー目指す


またMRの将来ビジョンに触れ、「(MR100周年記念イベントのあった2012年当時は)MRはチーム医療の一員として医療の一翼を担うとしていたが、これは実際的でないとして修正した。MRは患者の個人情報を把握できないし、治療のプロトコルにも参画できない。よって患者志向にたった医薬情報の提供・収集・伝達活動を通じ、医療関係者から信頼されるパートナーを目指そうということに修正した」と述べた。

◎田中専務理事 「居眠りしていて更新は可笑しい」認定制度抜本改革に意欲

田中専務理事も会議冒頭の挨拶で、これまでの継続研修が「履修主義」に傾注し、本来の使命を果たしていないとの認識を表明。「申し訳ないが、居眠りしていようが、内職していようが規定時間だけ座っていたら(認定証が)更新されるのは可笑しいんじゃないか。そこを大きく考え方を変える。導入教育で得た一定のレベルをクリアしているMRの認定証を更新する。今後具体的な案を示したい」とMR認定制度の抜本改革への決意を表明した。

◎企業から見たMR認定制度抜本改革に向け発言相次ぐ

会議では企業の教育研修責任者から発言を求めた。継続教育検討委員会の委員を務めたアステラス製薬の川野明弘氏は、①資材、手引きなどの作成で継続研修は充実するものの、研修内容、実務教育状況をセンターが把握できないため、継続的な見直しが行われにくい、②MR認定が教育時間で縛られているため、全体としてMRの知識は担保できない、③倫理教育が必須であることを明示していなため、企業によりばらつきが生じる―とし、MR認定制度の抜本改革はこれら課題を解決する上で必須との見解を示した。

現役MRとして発言した大日本住友製薬神戸支店の小島章利氏は、「もし、MRがいなくなったらどうなるのでしょうか」との問いかけからプレゼンを行った。小島氏は、今の時代を生きるMRのあるべき姿として、「医療関係者から信頼されるパートナーを目指す」との方針を掲げた。その上で、RMPの活用など、安全性情報活動のウエイトアップを目指すと同時に、「ナラティブ・ベースド・メディシン」により、さらに信頼され、さらに価値向上をMR自身が目指すべきと提言した。

第一三共研修情報部の奥村滋子氏は、これからのMR活動に必要な要素として、①患者理解・患者志向、②適正使用の更なる推進、③高い倫理性―をあげた。その上で、MRの将来ビジョンの実現に向け、「各社がそれぞれの置かれた立場で何をすべきかを考え、今すべきこと、できることを実行に移すことが大切」との見解を示した。また、研修部門の役割にも触れ、企画部門やコンプライアンス部門、安全管理部門、マーケティング部門などに「関わることができるのが研修部門の強みであり役割」と述べ、製品軸から患者軸へ、さらには売上以外のKPI設定などにも関与する必要性を強調した。

◎厚労省・関野医薬安全課長 「現実の世界でどう対応するのか」でフロアに問いかけ

このほか厚労省医薬・生活衛生局の関野秀人医薬安全対策課長がコメントした。関野課長はMRの役割について、「安全管理情報を収集し、提供することを主な業務として行う」と述べながらも、「主な」の定義については、「+αがあっても良い」と強調した。
また討論の中で関野課長は、「明日から仕事が始まって現実の世界になると、社内の利益を考える部門や経営層の間でどこまで聴いてもらえるのか。聴くだけでなく実効性に移せるかで興味がある」と指摘。「会社の営業部門を含めてどうやって最終的な方向性に向けてどうやり取りし、それらをどう乗り越えていくかについてフロアからコメントを頂きたい」と参加者に発言を求めた。これにフロアから発言はなかったが、販売情報提供活動GLや継続研修の実効性を今後どのように担保し、実現するかが製薬業界に投げられた課題との印象を参加者に植えつけるには十分な問いかけだった。
 
 
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