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大阪大とアンジェス 新型コロナウイルス予防DNAワクチン開発へ 

公開日時 2020/03/06 04:50
大阪大発バイオベンチャーのアンジェスは3月5日、大阪大と共同で、新型コロナウイルス感染症の予防用DNAワクチン開発に乗り出すと発表した。すでにワクチンの設計を終えており、協力を表明したタカラバイオが製造に着手する。動物実験などを経て、最短で6か月後には臨床試験へと入りたい考え。DNAワクチンの構築・製造はタカラバイオが協力する。新型コロナ感染症のワクチン開発をめぐっては、GSKがたんぱく質ベースのコロナウイルスワクチン候補(COVID-19 S-Trimer)を有する中国拠点のClover Biopharmaceuticals社と研究協力に合意し、大量生産を視野に入れるなど、動きが活発化している。

◎大阪大・森下教授 短期間で大量生産「DNAワクチンは緊急事態に適している」

大阪大とアンジェスが開発を進めるのは、新型コロナウイルス表面に発現するスパイク(S)たんぱく質遺伝子をコードしたDNAワクチン。DNAワクチンは、対象とする病原体のたんぱく質をコードする環状DNA(プラスミド)の接種で病原体たんぱく質を体内で生産し、性免疫や細胞性免疫が誘導されることで、新型コロナウイルスに感染しにくくなるほか、重症化が抑制されるなどの効果が期待されている。弱毒化ワクチンと異なり、病原性がないなどの特徴がある。

同日都内で開いた緊急会見に臨んだ、大阪大大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学の森下竜一教授は、「大腸菌を用いて製造するため、極めて短期間で供給ができる。今回のような緊急事態にはDNAワクチンは非常に適している」と有用性を強調する。

Sたんぱく質に対する抗体ができづらいことが指摘されているが、「通常2回のところを、3回、4回と接種する回数を増やせば、8割、9割の方で抗体ができる」(森下教授)と述べた。安全性については、10年以上前から12種類のワクチンの臨床試験で1400人の健常人に投与されているが、「安全性に対する懸念は一度もない」と強調した。また、ウマにDNAワクチンを接種し、抗血清製剤を製造する考えも示した。

なお、アンジェスの株価は市場の期待感から一時ストップ高となった。

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