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【緊急寄稿 米ミシガン発現地レポート Part4】緊張感増す!医療機器確保や検査件数増加で地道な努力

公開日時 2020/04/10 04:51
米国在住 ヘルスケアビジネスコンサルタント
MRG Associates, Inc. 代表取締役社長
森永 知美

◎PPE在庫は危機的状況。確保努力続く

ミシガン州の緊張感はますます高まっている。感染者数は1万7221人、死者727人に上り、ニューヨーク州とニュージャージー州に次いで3番目に多い(4月6日現在)。Whitmer州知事は6日開かれた記者会見で、州内の大手病院ネットワークに残っているPPE(医療従事者が身につける個人保護具)の在庫は、あと数日分しかなく危機的状況にあるとし、州独自のルートや近隣の州との共同購入などを駆使し、こうした医療物資の購入努力を続けていると報告した。

連邦緊急事態管理庁(Federal Emergency Management Agency、FEMA)からは両日中に人工呼吸器と外科用マスク、N95マスク、フェイスシールド、手袋が届く予定。また現在、こうした供給不足に対応するため、マスクや人工呼吸器などの医療器具を製造している自動車メーカーFord社からはフェイスシールドが寄付されたという。州政府はさらに100万個を購入し、数週間以内に入手する予定だとしている。

会見に同席したミシガン州保健社会福祉局(MDHHS)Chief Medical ExecutiveのKhaldun氏は、過去10日間で検査ラボを15カ所にまで増やしたと報告した。現在のところ累積検査件数は約4万6000件と、人口当たりの検査件数で見てもニューヨーク州やニュージャージー州には遠く及ばないが、不足していた検体採取に必要な綿棒も届き始めており、検査ピッチは加速すると期待される。MDHHSでは州内の救急病院に対し緊急命令を発令し、空きベッド数やPPEの在庫レベル、人工呼吸器の使用台数などのデータを毎日報告するよう要請している。

◎COVID-19感染の入院患者数3768人、人工呼吸器の使用患者数1383人

そのデータによると4月4日の時点でCOVID-19感染による入院患者数は3768人、人工呼吸器の使用患者数は1383人であった。過去の記者会見によると州内の人工呼吸器の全台数は1622台と報告されており、限界に近づいていると言える。また同氏は、今後数週間は1日当たり約千人またはそれ以上のペースで感染者は増え続けていくだろうと予測している。州全体の感染者のうち8割がデトロイト周辺地域に集中し、また感染者の33%、死亡者の40%がアフリカ系アメリカ人で占められており、感染被害が一部のエリアや人種に偏っていると、危機感を示した。

◎デトロイト市、クイック検査機器を全米で初めて導入

期せずして、COVID-19のホットスポットとして全米でも注視されているデトロイト市は、最短5分でCOVID-19の陽性判定が可能なAbbott Laboratories社製検査機器ID NOWを、全米で初めて導入する市となった。ID NOWは、3月27日に米国食品医薬品局(Food and Drug Administration、FDA)より緊急使用承認を得たポイントオブケアのCOVID-19検査機器で、同市では4月3日からファーストレスポンダー(警察官、消防士、救急救命士、バスドライバーなど)を対象に使用を開始した。6日の記者会見でMike Duggan市長は、週末の2日間で、感染の疑いのため自宅待機となっていた警察官154人と消防士43人の陰性が確定され、現場に復帰できるようになったと話した。

◎医療保険未加入者での検査件数を増やす

ウイルス検査を受けるには、医師が発行する処方箋が必要である。検査自体は無料だが、医師の診察には医療費がかかるため、医療保険に加入していない市民は検査を受けない傾向がある。そのため同市では、無保険の市民が検査をより受け易くするため、このような患者でも受け入れる医療機関を募り、検査に必要な診断と処方箋の発行を加速させる試みを行っている。今のところ名乗り出ている30カ所の医療施設はいつでも受診可能であるとし、市民は市のホットラインにすぐ連絡するようにと奨励している。また車を持っていない市民のために、検査施設や医療施設への足として無料または低価格でのバス運行を提供し、検査の推進を図っている。Duggan市長は、検査件数を増やして可能な限り多くの感染者を特定し、非感染者から出来るだけ早く隔離することが重要だと強調している。

さらに市内のホテルでは、ファーストレスポンダーが寝泊まりするための部屋を開放しはじめているほか(家族への感染を懸念し家に帰れないことが問題となっている)、託児サービスは臨時の託児所を設け、ファーストレスポンダーの子供たちを無料で受け入れるという動きも見られるという。こうした支援は地味かも知れないが、現場で働く人々にとって切実な問題に一つ一つ対処していると言える。

3月末に臨時病院への転用が決定したデトロイトの国際展示場TCFセンターでは、米陸軍工兵隊(U. S. Army Corps of Engineers)の主導のもと、着々とその準備が進められている。数日以内の運用を目指しており、これにより陰圧設計の数百床を含め約千床が追加されることになる。医療スタッフの確保が課題となっているが、州内の比較的負荷の低い病院やFEMAからの支援のほか、全米からも大々的に募集をかけている。

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