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MR認定センターが「MR認定要綱」を公布 4月からバッジ着用を義務化 適正使用の“専門家”に位置づけ

公開日時 2020/10/23 04:52
MR認定センターは10月23日付で「MR認定要綱」を公布した。要綱の第1条には「MRが患者志向に立ち 医薬品の適正使用に必要な情報活動を行う“専門家”として、生涯にわたり資質の向上が図られ、もって国民の保健衛生の向上に貢献することを目的とする」との文言を掲載した。要綱では、MRの定義やMRの資質、企業、MR、認定センターそれぞれの責務を明記。MRバッジの着用も義務化した。これまでMR認定センターは継続教育を含むMR認定制度の抜本改革を議論してきた。その集大成となる新MR認定制度が2021年4月1日から施行される。

MR認定要綱は、第1章・総則、 第2章・教育研修、第3章・MR認定試験、第4章・MR認定証の交付及び更新―の4章構成。総則には「MR認定要綱の目的」と「定義」を記した。  

MR認定要綱の目的には、MRが、医薬品の適正使用に必要な情報活動を行う「専門家」であることを明記した。MR認定制度の起源となる厚生省(当時)の「21世紀の医薬品あり方に関する懇談会」(薬務局長の私的諮問機関・1993年)が、「MRの専門家としての地位確立を図るための資格制度の必要性」を提唱したのに対し、これまでの教育研修要綱には「専門家」の記載は一切なかった。

本誌取材に応じたMR認定センターの近澤洋平事務局長は、「自ら研鑽を積まないといけないことをMRに促している」と指摘。さらに「企業を代表して医薬品の適正使用情報をしっかり伝えてもらうということを 医療関係者も望んでいる」と述べ「これを改めて認識して欲しい」と強調した。

◎MRの定義から「普及」を外し、「薬物療法の向上に貢献」を明記

「MRの定義」についてMR認定要綱では、「医薬品の適正使用並びに薬物療法の向上に貢献する」と記載し、これまでの「普及する」という文言を削除した。「普及」という文言が売上を拡大するという営業目的のイメージに捉えられがちだったことから、これを払拭する狙いが込められている。 一方で「薬物療法の向上に貢献する」と表現を改めることで、飛躍的に進歩する医療技術への対応にMRの情報提供が貢献することを意図した。MR認定要綱を検討した「MR認定要綱策定委員会」の議論でも、医療従事者の委員から「自分たちの医療技術を高めるためには医薬品の使い方を知らないといけない。やはり MRに手伝ってもらわないとそれができない」などの意見があがった。これを受け、「技術の向上にMRが役立って欲しい」という医療現場からのメッセージを要綱に刻むことにしたのだ。

このほか、情報交流のツールとして、医療者との面談以外に、「電子ツール等」を用いた活動も盛り込んでいる。

◎知識とは、技能とは、倫理観とは何かを明確化

「MRの資質」も定義づけした。これまでの教育研修要綱は、「MR活動に必要な知識、技能、倫理観を備えなければならない」という表現だった。今回のMR認定要綱では、知識とは何か、技能とは何か、倫理観とは何か、まで定義づけしたのが特長だ。近澤事務局長は、「医療関係者から信頼されるだけではダメ。患者や 国民からの信頼に応える倫理観を持 たないといけない」と述べ、あえて患者・国民からの信頼を明文化することで、「医療関係者のパートナー として患者のために医療に貢献する というスタンスになる」と解説して くれた。  

◎企業、MR、認定センター、それぞれの責務を明記

MR認定要綱には、「企業の責務」、 「MRの責務」、「センターの責務」 が明記されている。これまでの教育 研修要綱は業界団体の自主的ガイドラインとして策定されたもので、個々の企業が守るべき責務を示すに過ぎなかった。よってMR認定制度がスタートした1997年以降から現在に至るまで、公益財団法人MR認定センターは認定試験の実施と認定証の交付の手続きを行う「事務屋」としての役割に注力していた。ただ、MR認定制度の抜本改革を議論する中で、企業の責務、MRの責務と並んでMR認定センターの責務が明確化されていないことに気づく。認定制度の番人としての役割が不明確では、教育研修全体の質の向上やMRの行動の質を改善には寄与しない。

議論の過程では、MR認定センターの名称変更などの意見もあがったが、最終的にはMR認定センターの責務として、製薬企業が行う教育研修の評価や教育研修環境の整備などの責務をセンターに科すことを要綱に明記し、そのための具体的な施策を年間事業計画の中で実現する考えを盛り込んだ。

◎認定証の携行とMRバッジの着用を義務付け

MR認定要綱では、MR活動に際し、認定証の携行と「MRバッジ」の着用を義務づけた。2021年4月から実施する。要綱には、「MRは高い志と使命感を持ち、患者志向に立った活動をするために、MR活動 を行うにあたってはMRバッジを着用しなければならない」としている。

この点についてMR認定センターの田中徳雄専務理事は、「自信を持って会社が送り出したMRが責務を全うし、会社もそれを全うしているのであれば、バッジもしっかり着用して欲しいという意味だ」と強調した。 バッジを着用することで、「院内活動の立ち振る舞いに気をつけるようになる」と述べ、要綱に示した「患者志向に立った活動」の意識付けにもつながるとの認識を示した。



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