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アストラゼネカ ヘルスケア・イノベーションハブ「i2.JP」設立を発表  多様性で変革を駆動したい

公開日時 2020/11/12 04:51
アストラゼネカのステファン・ヴォックスストラム社長は11月11日開催のメディアセミナー(Web形式)で、オープンノベーション型のヘルスケア・イノベーションハブ「i2.JP」を立ち上げたと発表した。「i2.JP」は、患者や医療従事者が日々抱える課題を解決するデジタル・ソリューションの創出を目指し、異なるパートナーシップによるオープン形式のエコシステム構築を目指すというもの。全世界で同社はこうした取り組みを進めており、今回の日本の「i2.JP」が16番目となる。ヴォックスストラム社長は、「このネットワークの活用で世界中の支援を受けることもできるし、日本のアイディアを世界に輸出することもできる」と述べ、産官学のパートナーシップの実現により「ヘルスケアの変革を駆動したい」と胸を張った。

「i2.JP」は、「innovation」(革新)と「infusion」(鼓舞、注入)の2つの「i」に意味を込めた。立ち上げ時点のパートナー企業・団体は、①アストラゼネカ、②大阪イノベーションハブ、③Welby、④木幡計器製作所、⑤オムロンヘルスケア、⑥MICIN、⑦スギ薬局―が名を連ねている。引き続きパートナー企業を募ることにしている。

こうした取り組みはアストラゼネカがスウェーデンに設立した「BIO VENTURE HUB」に代表される。30以上のバイテク企業とアカデミアがオープンイノベーション型のエコシステムを構築しており、2021年までに企業350社、7000人が参加する「Health Innovation City」を誕生させる計画だ。ヴォックスストラム社長は、こうした環境の醸成を通じ、「多様性を活用することでイノベーションと成長を加速することができる」と強調した。

◎「4D」+患者のエクスペリエンスデザインでソリューション創出

日本の「i2.JP」のミッションについてヴォックスストラム社長は、「これまでの診断(Diagnosis)、デバイス(Device)、デジタル(Digital)、医薬品(Drug)の「4D」に、患者のエクスペリエンスデザインを加えてソリューションとして提供する」と指摘。例えば、「病院に行かなくても在宅で自身の治療経過をモニタリングするような、新しいテクノロジーを使ったヘルスケアを構築したい」と述べた。また、「全く異なるパートナーと組むことを歓迎しており、これをアイディアのネットワークとして育てていかねばならない。そのための有能な人材も必要だ。日本においては、官民のパートナーシップを構築しなければならない」と意欲を示した。

◎慶応大・宮田教授「まさに多様性の中でこそイノベーションは生まれる」

Webメディアセミナーでは、「ヘルスケア・イノベーションハブへの期待」をテーマにディスカッションが行われた。慶応義塾大学医学部の宮田裕章教授は、「ネットワークのつながりが大事だ。すべてを独占する時代ではない。まさに多様性の中でこそイノベーションは生まれる」と強調。特にグローバルとつながったネットワークの役割が重要になると見通した。さらに、「公共データを活用してこそヘルスケアのアウトカムを把握できる。このバリューも伸ばすことができる。これまでの囲い込みを超えてオープンイノベーションの取り組みをさらに広げて欲しい」と期待感を示した。

一方、「i2.JP」にパートナーとして参加するWelbyの比木武社長は、「単体のPHRサービスだと医療の中にシステムとしては入れない。患者だけがアプリで管理されていてもだめ。これを病院や医師が見て頂くことが大事だ」と指摘。「サービス単位でなくエコシステムで見ていくということを考えると、今回のi2.JPの取り組みは、カタリスト(Catalyst)のような存在になっていただけるとありがたい」と述べた。



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