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オンライン診療・服薬指導で変わる患者とのタッチポイント 製薬企業とのコラボも MICINセミナー

公開日時 2021/04/07 04:50
MICINは3月26日、「医療DXの時代に求められる医療機関・薬局の変化とは」をテーマにウェビナーを開催した。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、2020年4月10日に電話や情報通信機器による診療・服薬指導の時限的な対応(0410対応)が示されるとともに、同年9月には改正薬機法によるオンライン服薬指導が施行され、医療機関や薬局は環境変化への対応が求められている。同セミナーでは、医師、薬局、企業の3つの視点から、デジタルトランスフォーメーション(DX)や医薬連携など薬局が直面している変化、患者の治療体験に与える影響などを予測した。

◎オンライン服薬指導を全社的に実施するクオール 指導内容を聞かれたくない患者に活用も

「次世代の薬局・薬剤師に求められる役割」と題して講演したクオール新業態推進本部本部長の佐藤和佳氏(薬剤師)は、まず需要増が見込まれるオンライン服薬指導への対応について述べた。「一番時間をとられた」というスタッフの教育では、実施店舗が増えるにつれ、1店舗ずつ時間をかけるのが困難になってきたため、マニュアルを作成してWeb講習会を定期的に開催。そのときに出た質問を集めてQ&A集を作成するなどして、店舗側の不安を払拭に努めたという。また、薬の配達は基本的には宅配便を利用したほか、受け渡しロッカーを設置した店舗もある。加えて、緊急性の高い患者に対してはバイク便で即時配達も行った。

8割が来局、2割弱が電話での対応のなか、オンライン服薬指導の実施状況はまだ5%にとどまっている。佐藤氏は、実際の実例を挙げ、「件数はまだ少ないが、女性特有の疾患で他の人に指導内容を聞かれたくないという方が自宅のパーソナルスペースで非常にリラックスして指導を受けていた」と紹介。また同じく薬機法に明記された調剤後のフォローアップをオンラインで行った事例について「抗がん剤を服用している皮膚の副作用の状況が電話ではわかりにくいが、オンラインだと把握しやすい」と、オンラインでの服薬指導やフォローアップの利点を述べた。

課題としては、外来が多いので対応できる時間が少ないうえ、「オンライン服薬指導の予約から接続まですべて薬剤師が行っていることから、医療事務スタッフとの連携で薬剤師は服薬指導に専念できる体制が必要」と指摘。最後に佐藤氏は今後の展望として、「オンラインの普及で薬剤師と薬剤師、医師と薬剤師の連携がさらに進む。例えば、かかりつけ薬剤師と認定薬剤師との連携でより専門的な対応ができるようになるのではないか」と述べた。

◎デジタル技術は五感を凌駕 オンラインが対面診療上回る可能性

続いて、2016年からオンライン診療を実施している医療法人山下診療所自由が丘・大塚理事長の山下巌氏が「医師の視点からみたオンライン診療・医薬連携の現状と今後の展望」をテーマに講演した。山下氏は自身のオンライン診療の実体験を紹介ながら、「オンライン診療の価値の変遷してきている」と指摘した。対面診療をオンラインで代替するという捉え方ではないとの考えを表明。離島やへき地医療、専門医の少ない難病治療へのアクセスや、生活習慣病の治療中断の防止など社会的課題を解決するためのツールとしての価値、さらにフラットかつ継続的な医師と患者のリレーション構築による「かかりつけ医機能がオンライン診療で強化される」(山下氏)、すなわち、医療の質の向上が期待できるとしている。

さらに、「デジタル技術は五感を遥かに上回る性能を持っているのだから、自宅で手軽に検査できるデバイスの発達により、オンライン診療は対面診療を凌駕する可能性もある」との見方を示した。

一方、オンライン服薬指導については、患者が自宅に居ながら診療から服薬指導まで受けられるのは画期的であると評価しながらも、「現状ではあまり普及していない」と述べ、その理由としてオンライン服薬指導をお膳立てする必要がある医療機関が制度に精通していないことや、体制を整えている薬局が少ないことなどを挙げた。そのうえで普及を図るための施策として、「薬機法ではなく、『0410対応』の恒久化が絶対必須。医師から見てわかりやすい制度にしてほしい」と要望。また、薬局の対応としては、オンライン診療を行う店舗を集約化し、特定の薬局が専門的に取り組むことでノウハウを蓄積し、運営や服薬指導の効率化や図っていくという考え方を示した。

そのうえで山下氏は、「オンライン服薬指導ならではの価値を創っていくことが重要。画面越しに残薬管理ができるほか、毎日の服薬にも介入しやすい。患者さんと薬局と製薬企業がオンラインでつながり、情報共有していくということもありうるかもしれない。薬もどんどん高度化しているので、町の薬局だけでなく、役割分担による服薬管理が進むのではないか」と述べ、医薬連携の質的な変化に期待を寄せた。

◎患者とのタッチポイント多い オンライン診療はゲームチェンジャーに 

最後に登壇した株式会社MICINのSPVである草間亮一氏は、「薬局のDXによる包括的な患者サポートプログラム(PSP)の実現に向けた展望」と題して講演した。従来からの臨床現場の課題のひとつとして、適切な治療継続が行われていない点を挙げ、「特に生活習慣病患者の服薬アドヒアランスが悪く、それによる症状の変化も見える化できない、あるいは症状の改善がみられず、結果として患者さんの再受診への意欲低下という悪いループが回っていた」と分析した。一方、治療継続を目的にモニタリングアプリなどの使用を患者に勧めようとしても、そもそもその案内の負担が大きく、患者が積極的に使おうとするモチベーションも働きにくい。つまり、「医療フローへの埋め込みが弱い」(草間氏)という課題がある。

この課題に対して、オンライン診療がゲームチェンジャーになりうるという。草間氏は、「動機付けできていない患者さんや医師との信頼関係を築けていない患者さんに対して、自己管理のアプリではなく、通院負担を軽減できるとしてオンライン診療で入っていく。従来と違うアプロ―チになるだろう」と述べ、そこを起点にタッチポイントを増やしていくという考え方を示した。例えば、自己注射が必要な患者は最初に指導されても不安は残るが、それを薬剤師がオンラインでフォローアップしていくことにより、軽減できる可能性は高い。

「色々なタッチポイントを疾患の特性に応じてカスタマイズしていく。それを製薬企業とコラボしてオンライン診療をベースとした患者サポートプラグラムの取り組みを行っている」と草間氏は紹介。医療者の負担をかけずに、治療継続のための仕組みづくりに注力していく構えだ。


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