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オンライン診療・服薬指導×地域医療情報NWで実証事業開始 かかりつけ医拠点の多職種連携“宿毛市モデル”構築へ

公開日時 2021/06/29 04:52


高知県宿毛市と特定医療法人長生会大井田病院は6月28日、オンライン診療・服薬指導と、地域医療情報ネットワークを活用した「SUKUMOオンライン医療実証事業」を開始すると発表した。地域医療情報ネットワークを通じた、医師、薬剤師など多職種による双方向での情報共有を基盤に、オンライン診療・服薬指導を活用する。地域のかかりつけ医を拠点とした多職種連携で地域を支える“宿毛市モデル”の構築を目指す。これにより、医療へのアクセシビリティを高め、治療継続を促すとともに、医療情報の共有を通じて多剤併用・重複投薬などの課題を解決し、地域医療の質向上につなげたい考えだ。

◎中平市長「医療のアクセシビリティと多剤服用・重複投薬が大きな課題」


高知県宿毛市は、高知県最西端に位置する市だ。人口は約2万人。高齢化率は39.9%と全国平均(28.8%)を上回るスピードで高齢化が進む。高齢者の世帯の18%を占める。縮毛市が縦長の地形である一方で、病院すべて東西を横断する国道沿いに位置している。このため、病院数は全国平均を上回るものの、南北の中山間地域からのアクセスに一定のハードルがある。同市には、高血圧や糖尿病、脂質異常症など、定期的な通院が必要な疾患を抱える患者も多い。こうしたなかで、医療機関へのアクセスの難しさから、治療を中断し、重症化へと進展しまうリスクがある。さらに高齢化の進展が進むなかで、多剤併用や重複投薬を防ぐ重要性も高まっている。

同日会見した、宿毛市の中平富宏市長は、「地域が一体となり、患者さんを支える体制を構築していくことが必要だ。そのためには医療のアクセシビリティ向上による治療の継続と、医療機関の相互情報共有による多剤服用・重複投薬の低減が大きな課題であり、本市として即取り組んでいかないといけない」と強調した。

◎メドレーのオンライン診療・服薬指導 NTTドコモ四国支社がタブレットなど提供

実証事業は、こうした地域の課題を解決することを目指す。患者は、メドレー社の専用アプリを通じてオンライン診療・服薬指導、決済までできる。医薬品の配送については、薬局薬剤師が届けることが中心になるといい、自宅にいながらオンライン診療から医薬品の受け取りまでを完結することができる。さらに、幡多医師会が運営する地域医療情報ネットワーク「高知家@ライン はたまるねっと」の活用で、患者の診療情報や服用情報などを相互で情報共有しながらオンライン診療・服薬指導を行うことができる仕組みだ。このため、患者への重複投薬や多剤服用などの抑制につなげることが期待できる。なお、事業においてメドレー社は、オンライン診療やオンライン服薬指導の各種サポートを行い、NTTドコモ四国支社は、本事業に必要となるタブレット端末および通信環境を提供するという。

◎コミュニティナースが在宅でのオンライン診療・服薬指導を介助

実証事業では、患者自身がスマホなどで直接アクセスするオンライン再診外来に加え、“コミュニティナース”を活用したオンライン訪問診療の検証も行う。実証事業ではコミュニティナースがタブレット持参で患者宅に訪問し、患者のオンライン診療・服薬指導を介助するモデルについても検証する。“コミュニティナース”とは、病院や福祉施設でなく、地域の中で活躍する看護師とその活動を指す。大井田病院の地域医療連携相談室に所属する、高知県初のコミュニティナースが、実証事業にも協力するという。

同日会見した、特定医療法人長生会大井田病院の田中公章院長は、コミュニティナースの介入で、外来の場では知ることのできない日常生活や住環境について情報を得られるメリットを強調。「コミュニティナースが患者の治療に携わるのはもちろん、患者と触れ合うなかで予後や生活支援を行う、ひいては地域の中で患者さんを診ていくことにもつながる」と話す。患者にとっても、病院や薬局への通院や待ち時間を削減することにつながる。高齢者では特にこうした負担が大きいことも想定され、患者負担の軽減につながると強調する。

◎大井田病院・田中院長「医療アクセスの効率化と医療提供体制の効率化を進める」

田中院長は、医師数の減少や医師の働き方改革推進のなかで、「地方では医療提供体制の縮小が懸念されている」と指摘。オンライン訪問診療の活用で、医師が居宅に赴く時間をなくすことができ、院内や外来に時間をより割くことができるようになることにも期待を寄せる。「実証事業を行い、近い将来全国の地域で課題になるであろう、医療アクセスの効率化と医療提供体制の効率化を進めていく」と意欲を見せた。また、病院、診療所、薬局などで情報共有をさらに進めることを通じ、「かかりつけを中心としたチーム医療をさらに進め、医療介護に困らない地域全体で切れ目のない、治し支える地域を目指す」と述べた。そのうえで、「時代の変化のなか、これらのシステムが最高のパートナーとなり、オンライン医療が今後の超高齢社会と地域医療を救う可能性があると感じている」と期待感をみせた。

実証事業の実施期間は、2021年6月28日~12月28日までの半年間。対象患者は、実証事業対象エリアである宿毛市在住で、大井田病院へ定期通院もしくは訪問診療を受けている患者、オンライン診療・服薬指導の利用において医師と合意がある人。対象疾患は、病状が安定している高血圧症、脂質異常症、糖尿病などの慢性疾患としている。病院はメドレー社のCLINICSオンライン診療、薬局はメドレー社のPharmsを活用する。
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