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慶応大病院感染制御部・長谷川教授 肺NTM症の治療 抗菌剤アリケイス吸入に期待

公開日時 2021/07/05 04:49
インスメッドは7月1日、 WEBメディアセミナー「日本における肺NTM(肺非結核性抗酸菌)症の現状および治療の最新動向~限られた治療に新たな選択肢」を開催した。セミナーでは、慶應義塾大学病院感染制御部の長谷川直樹教授が、肺NTM症の現状および治療の最新動向について講演。アミカシンリポソーム製剤のアリケイス吸入剤(一般名:アミカシン硫酸塩)の臨床試験結果を紹介し、培養陰性化率がガイドラインに基づく多剤併用療法より高かったと述べた。

肺非結核性抗酸菌症(肺NTM症)は、結核菌およびらい菌以外の抗酸菌によって引き起こされる肺の疾患。発熱、倦怠感などの全身症状や、咳、痰などの呼吸器症状といった幅広い症状が特徴で、進行によって肺に重度な損傷をきたすこともあり、死に至る場合もある。現行の抗菌薬治療では効果が限られ、治癒が困難な疾患であるとも指摘されており、治療の新たな選択肢の登場が望まれている。

インスメッドのアミカシンリポソーム製剤のアリケイス吸入剤は、米国で2018年10月、2021年3月に承認を取得している。独自のリポソーム技術によって、感染細胞のマクロファージへの取り込みが促進される。インスメッドは、米国ニュージャージー州に本社をおき、欧米、日本に拠点を持つグローバルバイオ医薬品企業。

長谷川教授は、「NTMは主に肺胞マクロファージに侵入して生体防御機能を低下させる」と紹介。厚生労働省のデータによって死亡者数を比較すると、2006年は結核2269人、肺NTM症885人であったが、2019年には結核2087人、肺NTM症2081人となり、肺NTM症による死亡者数が増加している。

長谷川教授は、ラミザネブライザシステムによって生成されたアリケイスの粒子の73.9%が肺末梢に分布するサイズとした。さらに、国際共同第3相臨床試験のCONVERT試験の結果を示した。投与6か月目までの培養陰性化率で、アリケイス+GBT(ガイドラインに基づく多剤併用療法)群は、GBT単独群より高いことが認められた。発声障害、呼吸困難、咳嗽、口腔咽頭痛といった有害事象の発生率では差がみられなかった。

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