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グローバル出版社ワイリー 東北大、東工大など4大学と論文のオープンアクセス出版に関する覚書を締結

公開日時 2022/02/09 04:51
医学、理工、人文社会科学分野のグローバル出版社「ワイリー(Wiley)」は2月8日、東北大学、東京工業大学、総合研究大学院大学、東京理科大学と論文のオープンアクセス出版に関する覚書に署名したと発表した。覚書は「転換契約」(transformational agreement)と呼ばれるジャーナル購読モデルから、オープンアクセス(OA)出版モデルへの転換を目指す契約を見据えたもの。日本発の研究成果の論文発表におけるオープンアクセス化を一層促進する取り組みとなる。日本国内の複数大学とグローバル大手出版社が参加した取り組みとしては初めてとなる。

今回の覚書は、4大学における2022年4月からの「転換契約」を見据えたもの。転換契約とは、論文の閲覧のために大学等が出版社に対して支払う費用を、論文出版のための費用(論文掲載料)へと段階的に転換させ、それによって論文のOA出版の拡大を目指す契約のこと。今回の取り組みによる新たな契約方式には、ワイリーが出版する全ジャーナルの閲覧に加えて、4大学に所属する研究者の論文を、ワイリーのハイブリッド誌約1400タイトルでOA出版するための権利も含まれる。

なお、ハイブリッド誌とは、収録論文の閲覧のために講読契約を要するジャーナルのうち、著者が論文掲載料を支払って自分の論文をOA化するオプションを提供するものを指す。

文部科学省科学技術・学術政策研究所データ解析政策研究室 林和弘室長は、「日本において、属性の異なる複数の大学が集まり、こうした発信力にも配慮した覚書に署名できたことは、画期的なことだ。今後、それぞれの大学における転換契約によるOA化の進展と大学のプレゼンスの向上に期待する」と述べた。林室長はまた、「これをきっかけに、4大学だけでなく日本の多くの大学において、OA化の取り組みが進み、日本発の研究成果が世界に一層インパクトを放っていくことを期待する」と強調した。


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