薬価や流通のさらなる透明化がポイントに
供給不安が起きた背景と今の産業構造は表裏一体
公開日時 2022/09/01 00:00
薬価、流通上の赤字品目をめぐる議論が製薬業界内で起きている。毎年薬価改定の影響に加え、物価・エネルギー価格の高騰が続く影響を懸念する声が強まっている。薬価上の下支えなどを要望する声もある。ただ、日本の薬価制度は市場実勢価格主義であり、製薬企業や医薬品卸を含めた合意形成の下で価格が形成されている。本来、企業投資の原資である薬価が、なぜ赤字になるまで引き下がってしまったのか。業界外からは、ジェネリックメーカーのビジネスモデルや商慣行を指摘する声があるが、ステークホルダーの理解を得るためには、薬価や流通のさらなる透明化が一つのポイントとなりそうだ。後発品の薬価追補収載で赤字を補填する産業構造「市場シェアを獲得するために企業間で激しい価格競争が発生し、結果的に価格がどんどん落ちた。頻回の薬価改定も行...