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【グローバル企業2022年決算トピックス その4】アムジェン ノボ ノルディスク バイエル モデルナ

公開日時 2023/03/14 04:51
外資製薬企業の22年医療用医薬品売上高上位16社の決算概況を紹介する第4回目(最終回)は、13位~16位のアムジェン、ノボ ノルディスク、バイエル、モデルナを取り上げる。
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【13位 アムジェン】 製品売上2%増、新型コロナ抗体薬の製造提携収入は大幅減

アムジェンの総売上高(医療用医薬品売上高)は1%増(為替の影響を除くと3%増)の263.23億ドルとなり、13位だった。製品売上は2%増の248.01億ドルと堅調だったが、それ以外の売上は、第4四半期に米イーライリリーとの新型コロナ抗体薬の製造提携に係る収入が大幅に減少した影響で10%減の15.22億ドルとなった。純利益は11%増の65.52億ドルで11位だった。

主力品では、骨粗鬆症治療薬のプラリアとイベニティがそれぞれ12%増の36.28億ドル、48%増の7.87億ドル、経口乾癬治療薬オテズラが2%増の22.88億ドル、高コレステロール血症治療薬レパーサが16%増の12.96億ドルとなった。
23年前半にホライゾンの買収完了予定
22年12月にアイルランドのホライゾン社を278億ドルで買収すると発表。これにより甲状腺眼症治療薬「Tepezza(テプロツムマブ)」(22年売上19.66億ドル)や痛風治療薬「Krystexxa(ペグロティカーゼ)」(同7.16億ドル)などを獲得する。ホライゾン社が23年3月1日に発表した22年業績は売上高が12%増の36.29億ドル、純利益が2%減の5.22億ドルだった。

アムジェン社は23年の総売上高を260億ドル~272億ドルと予想。この中に23年前半にも買収の完了を予定するホライゾン社買収の影響は含めていない。

【14位 ノボ】 絶好調のオゼンピックは売上83億ドルに リベルサスやサクセンダなども成長

ノボ ノルディスクの総売上高(医療用医薬品売上高)は26%増(為替の影響を除くと16%増)の1769.54億デンマーククローネ(DKK、247.74億ドル)となり、14位だった。純利益は16%増の555.25億DKK(77.74億ドル)となり、8位となった。

糖尿病治療薬では、週1回投与のGLP-1受容体作動薬オゼンピックが77%増の597.50億DKK(83.65億ドル)となり、総売上高の34%を占めた。また、経口GLP-1受容体作動薬のリベルサスも134%増の112.99億DKK(15.82億ドル)と好調だった。

肥満症治療薬では、GLP-1受容体作動薬サクセンダ(リラグルチド)が52%増の106.76億DKK(14.95億ドル)を、21年6月に米国で、22年1月に欧州で承認を取得したウゴービ(セマグルチド)は346%増の61.88 億DKK(8.66億ドル)を売り上げた。なお、為替レートは22年の年間平均で1DKK=0.14ドルだった。

23年の総売上高は13%~19%の成長率を見込んでいる。

【15位 バイエル】 最主力品イグザレルトの減収をアイリーア、ニュベクオ、ケレンディアでカバー

バイエルの総売上高は 15.1%増(為替の影響を除くと8.7%増)の507.39億ユーロ(532.76億ドル)となり、このうち医療用医薬品の売上高は4.9%増(同1.1%増)の192.52億ユーロ(202.15億ドル)で15位だった。純利益は4.15倍の41.50億ユーロ(43.58億ドル)となり、15位となった。

最主力品の抗凝固薬イグザレルトは4.6%減の45.16億ユーロ(47.42億ドル)だった。中国の競争入札や英国の価格圧力、また、ブラジルにおける特許切れが要因という。これを加齢黄斑変性などの治療薬アイリーアや新製品の前立腺がん治療薬ニュベクオ、慢性腎臓病治療薬ケレンディアの伸長でカバーした。ニュベクオは112.8%増の4.66億ユーロ(4.89億ドル)を売り上げ、21~22年に日米欧で承認を取得したケレンディアは1.07億ユーロ(1.12億ドル)寄与した。なお、為替レートは22年の年間平均で1ユーロ=1.05ドルだった。

23年の総売上高は510億ユーロ~520億ユーロを予想。医療用医薬品部門は約1%の成長率を見込んでいる。


【16位 モデルナ】 売上192億ドル、4%増 コロナワクチンの需要減速で下期は2ケタ減収

総売上高(医療用医薬品売上高)は4%増の192.63億ドルとなり、全体で16位だった。うち製品売上高(新型コロナワクチンのスパイクバックス)は4%増の184.35億ドル。純利益は31%減の83.62億ドルとなり、7位となった。

年間では4%の増収となったが、新型コロナワクチンの需要減速を反映して7~9月期は前年同期比32%減収、10~12月期は同29%減収だった。
23年予想 製品売上は50億ドル
mRNA-1345(RSVワクチン)の米国申請を23年前半に予定。米メルクと高リスク悪性黒色腫に対する術後補助療法としてmRNA-4157(個別化がんワクチン)とキイトルーダの併用療法を開発しており、22年12月に第2b相試験で主要評価項目達成を発表した。

23年の製品売上高は50億ドルを見込むとともに、主要国からの追加購入を期待。


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