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日本イーライリリー MRの特性強みに“ヤングケアラー”を支援 医療従事者との接点活かしサポート継続

公開日時 2023/04/25 04:51
日本イーライリリーは、ケアの必要な家族を子どもが日常的にサポートする「ヤングケアラー」の支援活動を行っている。活動の中心にいるのは、MRや、自身もヤングケアラーだったという女性社員らだ。2022年2月から、有志社員によるプロジェクトを立ち上げ、ヤングケアラーの現状や課題について学ぶ勉強会や、歩いた距離に応じて寄付を行うチャリティーウォークなどを行ってきた。中心メンバーの1人で糖尿病・成長ホルモン事業本部東京支店の本藤和仁営業課長は、「今後は、MRの医療機関や医療従事者とのタッチポイントが多いという特徴を生かして、ヤングケアラーがサポートにつながれるよう支援していきたい」と力を込める。

本藤和仁課長は、今回の同社の取組みを通じて初めて、実はヤングケアラーが身近に存在していたことに気づいた。休日に行っている視覚障害者の併走者のボランティアで、「障害のある両親を練習場に連れてきている小学生が『自分の時間が取りづらい』と言っていた」ことを思い出したのだ。このほか、薬剤師の妻が精神疾患がある親の通院に付き添う高校生のことを目にし、気にかけていたことや、MR活動のなかで通院をサポートする家族の存在が気になっていたことが繋がった。何かできることはないかと考え、取り組みに積極的に関わるようになった。特に、ヤングケアラーが成長する中で、サポートが必要な家族と離れられないために、将来の進路に制限が出てしまうことには大きな課題感を感じたという。

このため本藤さんは、チームメンバーと協力しながら、勉強会の開催やチャリティーウォークなどを開催。より多くの人がヤングケアラーの存在に気づき、行政などのサポートに繋がれるようにと、ヤングケアラーという存在の認知度や課題感に関する情報の周知に力を入れた。

◎MR活動にも気づき

一方でヤングケアラーの支援は、本業のMR活動においても大きな気づきを与えている。「これまでにも家族のサポートが得られずに、薬の継続がしづらいケースがあることを感じていた。そういった患者に対してどのようなサポートができるのか、家庭環境に対するサポートも何かできることがあるのではないか」と考えを巡らせている。

本藤さんは、「製薬企業として患者とその家族をサポートするという意味では、ヤングケアラーの支援はリリーがやるべき活動の1つだと考えている」とし、取り組みを継続していく考えだ。そのうえで今後は、医療従事者とのタッチポイントが多いというMRの特性を生かしながら、「ヤングケアラーがサポートに繋がれるよう支援していきたい」と力を込める。

ヤングケアラーをめぐっては近年、存在に対する認知度が上がっているものの、十分な支援策は確立しておらず、行政の支援窓口への相談件数も少数にとどまっているのが現状だ。このため同社では、今年度も全国の支援団体をはじめ、自治体や他の民間企業などと協力しながら支援活動を継続する。同社によると、今回の活動をきっかけに過去の自身がヤングケアラーだったと気づいた社員もいるといい、活動方針を決めるにあたり、アドバイスをもらうなどして、より具体的な支援策を考えている。同社では、「全国の社員ネットワークを強みに、全国各地で活動を行い、ヤングケアラーへの伴走を継続させていきたい」とコメントしている。


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