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くすり未来塾 医薬品の価値評価で「Value Based Pricing」導入を提案 レカネマブの多面的価値評価を視野

公開日時 2023/05/09 04:51
薬価流通政策研究会・くすり未来塾は5月8日、医薬品の新たな価値評価として、“Value Based Pricing”の導入を提案した。現行の薬価制度では、患者や家族、社会、医療者にとっての価値、さらには社会保障費の軽減にもたらす価値を反映できていないとした。これらの価値については企業が説明責任を持つ第3の薬価算定方式「企業届出価格承認制度(イノベーション価格算定方式)」を提唱した。「我が国の企業も説明し始めている」として、エーザイが“Value Based Pricing”を用いて、早期アルツハイマー病治療薬・レカネマブの米国価格を決定したことを紹介し、早期の議論開始を求めた。同剤は国内でも承認申請中で今年中の承認が見込まれている。

◎第3の薬価算定方式「企業届出価格承認制度(イノベーション価格算定方式)」を提唱

現行の薬価制度は類似薬効比較方式が基本となっており、類似薬がない場合には原価計算方式による算定がなされている。くすり未来塾が第3の新薬薬価算定方式として提唱する「企業届出価格承認制度(イノベーション価格算定方式)」は、「財政中立をベースとしつつ、 その薬の価値そのものでイノベーションを評価」するというもの。収載時の薬価を企業の届け出により引上げ、一定期間後価格引き下げを予定する。その際に市販後臨床データで有効性・有用性があれば価格引き上げるとしている。

◎新たな価値評価は企業が説明責任を

収載時の薬価については、「医療の価値、医薬品の価値そのものにふさわしい評価が必要(Value Based Pricing)」と主張した。患者や患者家族、社会にとっての価値は、費用対効果評価で一部導入されているものの、必ずしも十分評価されていないと指摘。医療者にとっての価値(医療安全面、効率化、時間短縮等で医療現場への貢献の価値)や、社会保障費の軽減(医療費、介護費等の軽減)に対する価値は、「我が国では、評価のルールが基本的にない」と指摘した。

そのうえで、「欧米では企業がまず説明責任を果たすことが基本。我が国企業も説明し始めている」として、エーザイのレカネマブの例を紹介した。レカネマブは、「社会的インパクト」に基づいて算出。エーザイの内藤晴夫CEOは会見で、「バリューのうちの6割を社会に還元するという考え方を導入している。残りの4割を、重要なステークホルダーである株主と従業員に割り振りを行うということから、価格を導き出している。バリューベースド・プライシングを基本として社会還元を考えた価格設定と考えている」と説明していた(関連記事①)。

◎超低薬価品目の安定供給 最低薬価の引上げを提案 配送有料化も

このほか、医薬品の安定供給をめぐり、薬価が20円未満の「超低価格品目」が増加していることに懸念を示し、最低薬価の実コスト反映ベースでの見直し(引上げ)などを提案した。

くすり未来塾は、薬価が20円未満の超低薬価品目がアイテム数で約5割、薬価ベースで市場の約1割にのぼるとのデータを示した。医薬品卸は、医療機関や薬局から配送料を徴取していないが、「低薬価品は配送コストを考えれば赤字品目。この拡大は流通産業の安定性に大きな懸念」とした。毎年薬価改定の導入で、薬価が極端に下がった品目が増加しているとして、さらに品目数が増大する可能性に懸念を表明。最低薬価の引上げや、流通コストが反映できるとして「購入価償還」さらに、流通の観点から「最低でも緊急配送は配送有料化、一定の低薬価品の配送を有料化」など、「流通マージンの確保策の検討」などを選択肢にあげ、「広い視野に立って検討を行うべき」と提案した。

くすり未来塾の提言は第7弾。5月8日、ホームページ上に公表された。

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