KMバイオ 新型コロナの不活化ワクチン「KD-414」 小児のXBB.1.5対応ワクチンを開発、24年申請目指す
公開日時 2023/10/17 04:49
KMバイオロジクスとMeiji Seikaファルマは10月16日、開発中の新型コロナに対する不活化ワクチン「KD-414」について、オミクロン株XBB.1.5系統対応のKD-414を用いた国内小児第3相臨床試験を12月から開始する予定と発表した。同試験は生後6カ月以上13歳未満の健康な小児を対象としたもので、初回免疫による有効性を検証する。両社は、特に小児で新型コロナワクチンの接種が進んでいない現状を踏まえ、今回の試験により注力し、2024年中の承認申請を目指す。
KMバイオは本誌に、「新型コロナワクチンの接種が進んでいない小児に対し、不活化ワクチンのニーズがあると考えている」とし、今回開発するXBB.1.5系統対応のKD-414を「1日も早く開発、供給したいと考えている」と話した。XBB.1.5系統対応のKD-414の13歳以上を対象とした試験については、「まだ予定はない。これから検討する」と述べ、13歳未満の小児向けに注力する構えをみせた。
今回実施する第3相試験は多施設共同二重盲検無作為化プラセボ対照並行群間比較試験。目標被験者数は約5000例で、KD-414(XBB.15.)群とプラセボ(生理食塩液)群が各約2500例。被験者はKD-414(XBB.1.5)又はプラセボを1回0.5mLずつを2回、28日の間隔で筋肉内に接種する。希望者にはインフルエンザワクチンを皮下に同時接種する。治験薬(KD-414(XBB.1.5)又はプラセボ)の接種は二重盲検下で行い、インフルエンザワクチンの接種は非盲検下で行う。
両社はKD-414について、今回の13歳未満を対象としたXBB.1.5系統対応ワクチンとともに、プロトタイプワクチンとしての承認取得も目指す方針。プロトタイプワクチンは、パンデミックワクチンの迅速な開発・製造のため、ウイルスに応じて製造株の変更を想定した模擬ワクチンのこと。従来株でワクチンを製造して承認を取得するとともに、プロトタイプワクチンとしての承認も得ることで、いち早く市中感染している変異株を用いたワクチンを製造できるようにする。現在はインフルエンザワクチンでのみ、プロトタイプワクチンとして承認されている。