GEヘルスケア 住友化学から日本メジフィジックスの株式50%取得 完全子会社 次世代診断薬開発に期待
公開日時 2024/12/03 04:51
GEヘルスケアは12月2日、日本メジフィジックスの株式50%を住友化学から取得し、完全子会社化すると発表した。日本メジフィジックスは日本の放射性医薬品のリーディングカンパニー。GEヘルスケアグループの一員となることで、次世代の放射性診断薬の開発と患者アクセスの強化が期待できる。さらに、体内分子を撮影する技術「分子イメージング」の発展・強化につなげたい考えだ。
1973年設立の日本メジフィジックスは、国内に13の製造施設を持ち、診断と治療を一体化した「セラノスティクス」を含む研究開発に注力している。GE ヘルスケアは2004年に英国アマシャム社を買収して以来、50%の株式を保有し、住友化学と共に経営に参画してきた。同社の2023年の売上収益は282億円。
製品ポートフォリオにはGEヘルスケアが開発した放射性医薬品でアルツハイマー病関連の脳内アミロイドPET検査に使用される「ビザミル静注(フルテメタモル注射液)」や、パーキンソン症候群やレビー小体型認知症の診断に使用される「ダットスキャン静注 (イオフルパン注射液)」、心臓疾患の診断用 SPECT 製剤「マイオビュー(テトロホスミンテクネチウム」など、中枢神経、循環器、腫瘍の各分野で臨床画像を提供するための製品が含まれている。
GEヘルスケア診断用医薬品部門のケビン・オニール社長兼CEOは、「GEヘルスケアは日本国内において、造影剤やPET、SPECTをはじめとする診断用医療機器を中心に事業を展開している。日本メジフィジックスの買収により既存の事業基盤を一層強化し、日本およびアジアにおける個別化医療の進展にさらに貢献できると確信している」と強調した。