セラピスト・ロボット
公開日時 2013/08/30 03:50
スペインで自閉症の子どものコミュニケーション能力のトレーニングに小型ロボットを活用して効果を上げた実験研究が紹介され、話題となっている。(医療ジャーナリスト 西村由美子)
http://www.nlm.nih.gov/medlineplus/news/fullstory_136419.html
研究は、19人の自閉症児を対象とし、会話能力や社会性(アイコンタクト、交互発話、発語)を、人間のセラピストがロボットをアシスタントに使ってトレーニングした場合と、人間のスピーチ・セラピストだけによるセッションでトレーニングした場合とで比較検討したもので、ロボットを交えたトレーニングの方が改善効果が高かったと報告された。
研究をリードしたのはノートルダム大学の助教授Joshua Diehlで、ロボットの発揮する効果には、彼自身驚いたと語っている。ロボットは親しみやすい外観でまるでおもちゃのようであるが、成功に計画されたプログラムが仕込まれている。Diehl教授は、「このロボットで儲けるつもりはない(no financial interest in technology)と語っており、広く研究者等に供する用意があるとのことである。
19人という実験規模は、自閉症時児の臨床研究としては必ずしも小さくはないのだが、しかし、結果結果を敷衍するにはやはり規模不足といわざるをえない。今後、他の研究者によってさらに検証が重ねられることが期待される。