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PhRMA R&Dパイプライン中の抗がん剤は771剤

公開日時 2014/10/16 03:50

米国研究製薬工業協会(PhRMA)は加盟企業がR&Dパイプラインで開発中の抗がん剤およびワクチンが771剤に上ることを明らかにした。同協会が10月6日に発表した「開発中の新薬:がん」(Medicines in Development:Cancer)と題する報告書で明らかになった。なお、開発中薬剤には、米FDA(食品医薬品局)承認申請中の薬剤も含まれている。

PhRMAのJohn J Castellani理事長兼CEOは、「過去数十年で我々は、患者の延命、QOL(生活の質)の改善、生産性の向上に役立つ有効な抗がん剤の開発において大きな進歩を見てきた」と回顧したうえで、「研究を継続することで、結局は、より有効な抗がん剤の開発につながる、がんの進行の仕方や特定のがん種に対する薬剤をターゲットする方法について我々の知識を拡大させてきた」とコメントした。

また、同理事長兼CEOは、「がん治療薬開発という挑戦は複雑ではあるが、バイオ・医薬品企業の研究者が、患者のために新規治療オプション開発に取り組み続けることに揺らぎはない」と研究者の熱意を代弁した。開発中771剤の薬効別内訳をみると、多い順に、肺がん98剤、白血病87剤、リンパ腫78剤、乳がん73剤、皮膚がん56剤、卵巣がん48剤、脳腫瘍47剤などである。

これらのなかで注目される薬剤として、▽結腸直腸がんを適応として、腫瘍の成長と転移に関与する、腫瘍血管構造の一部細胞表面に発現するタンパクendosialinを標的とするヒト化モノクローナル抗体 ▽肝細胞がんを適応として、肝細胞がんの成長と転移を促進させるTGF(トランスフォーミング増殖因子)-βの過剰発現を選択的に阻害する低分子キナーゼ製剤 ▽膵がんを適応として、悪性固形がんにおいてがん細胞がしばしば低酸素(腫瘍低酸素)であることを活用、薬効成分が低酸素領域に到達すると活性化し、腫瘍を殺す薬剤(腫瘍低酸素は、腫瘍の進行、転移および化学療法への耐性に関与している)――などがあるという。

なお、同報告書は、近年のがん治療における特徴として、遺伝子解析を応用した個別化医療、分子標的療法、がん治療ワクチン(2010年承認の前立腺がんワクチン)、がん予防ワクチン(HPVワクチン)などの進歩を挙げた。
がん治療の進歩で、米国では、米国がん学会(ACC)のデータによると、がんサバイバー(生存者)は1971年の300万人、2001年には980万に3倍増、2012年には1370万人に上っている。また、国立がん研究所(NCI)によれば、5年生存率は、1975年以来、乳がんでは21%、前立腺がんでは50%、大腸がんでは36%、肺がんでは54%伸びているという。

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