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東北大・一ノ瀬教授 COPD治療薬・ビレーズトリエアロスフィア「夕方などに症状の強い人に」

公開日時 2019/07/19 03:50
東北大学大学院呼吸器内科学の一ノ瀬正和教授は7月18日、アストラゼネカのメディアセミナーで講演し、3剤配合の慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療薬・ビレーズトリエアロスフィア(ブデソニド/グリコピロニウム臭化物/ホルモテロールフマル酸塩水和物)について、「1日2回吸入投与するため、夕方などに症状が強い人に有効だ」と述べた。3剤配合のCOPD治療薬では、グラクソスミスクラインのテリルジー(フルチカゾンフランカルボン酸エステル/ウメクリジニウム臭化物 /ビランテロールトリフェニル酢酸塩)がすでに販売されており、吸入回数も含めて、患者の特性に合わせた処方も重要となりそうだ。

ビレーズトリエアロスフィアは、吸入ステロイド剤(ICS)、長時間作用性抗コリン剤(LAMA)、長時間作動型β2刺激剤(LABA)の3剤配合。アストラゼネカが6月18日に日本で製造販売承認を取得している。承認取得は、日本が世界初となる。

◎患者の特性に合わせた処方を 末梢血中の好酸球数なども指標に

同剤の国際共同臨床第3相試験は、中等症から最重症のCOPD患者1902例を対象に実施。主要評価項目には、24週持続投与した際のトラフFEV1(努力呼気1秒量)の変化量を据えた。その結果、同剤投与群(638例)の変化量は135だったのに対し、ブデソニドとホルモテロールを加圧式定量噴霧式吸入器で投与した群(314例)は57、シムビコート投与群(318例)では72だった。同剤と同時に承認を取得したLAMA、LABAの2剤配合剤のビベスピエアロスフィア投与群(625例)では113だった。

同試験には日本人が2割程度含まれている。一ノ瀬教授は、「日本の医療事情にも即したデータだ」と述べ、試験結果から見える同剤の気管支拡張能力などを評価した。そのうえで「末梢血中の好酸球の数が少ないと効果がでない」と指摘するなど、患者選択の重要性も訴えた。

一方、副作用の発生率は、17.5%(112例)で、口腔カンジダ、発声障害、筋痙縮が1%以上報告されている。

◎AZ・コリン・ライスナー氏「標準治療を改善する余地がある」


アストラゼネカは、同時期に、2剤配合剤のビベスピエアロスフィア(グリコピロニウム臭化物/ホルモテロールフマル酸塩水和物)の製造販売承認も取得している。同日のセミナーで同社PLCのコリン・ライスナー呼吸器・炎症・自己免疫領域本部長は、「COPDは明らかなアンメットメディカルニーズが残る領域」と指摘。「標準治療を改善する余地がある」と述べ、注力する考えを示した。

COPDをめぐっては、国内の患者は530万人と推定されているが、継続的な治療を受ける患者は約26万人にとどまっている。


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