日本CSO協会 19年10月の稼働コントラクトMR 前年比10.8%増の3445人 利用企業130社は過去最多
公開日時 2020/07/17 04:51
日本CSO協会(阿部安孝会長)は7月16日、2019年10月時点の稼働コントラクトMR数が前年比10.8%増の3445人となり、再び増加基調に転じたことを明らかにした。全MRに占めるコントラクトMRの比率も前年比0.8ポイント増の5.8%に上昇。さらに、コントラクトMRを活用する企業数は130社を上回るなど過去最多を更新した。製薬企業以外の顧客として、医療機器メーカーやヘルスケア関連企業に裾野が拡大している実態も浮かび上がった。
この日の発表は同協会が毎年行っている「わが国のCSO事業に関する実態調査」の2019年度版の概要を示したもの。例年は4月の活動報告会で全調査結果を報告しているが、今年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から発表を遅らせ、8月に全調査結果を公表することになっている。
2019年度版の「調査概要」によると、この年の新薬需要によりコントラクトMR数は前年比1割増を記録した。コントラクトMRをめぐっては、2014年の4148人をピークに横ばいから減少に転じたが、19年度は製薬各社の営業・マーケティング体制の最適化や人件費の変動費化などの動きが活発化したことを理由に、増加に転じた。なお、コントラクトMRは18年度実績が3110人で、19年度は335人の純増となった。
CSO活用企業数は、調査を開始した2009年以降、年々増加している。ここ最近の動向としては、医療機器メーカーや医療機関(病医院、薬局)など、広くヘルスケア関連の企業にまで拡大している。19年度の活用企業は130社で前年に引き続き過去最多となった。
◎デジタルやチャネルなど新たなサービスの拡がりに期待
このほか調査では、欧米諸国のアウトソーシング率と日本のサービスの拡がりについても言及している。全MRに占めるコントラクトMRの割合が最も高いのはドイツで16.9%、次いで英国13.0%、米国12%で、日本は5.8%に止まっている。ところが日本も前年の5.0%から0.8ポイント上昇しており、「日本も欧米同様に多様なサービスが伸展している」とCSO協会は期待感を強めている。
サービスについては、これまでの欠員補充や中途採用の新たなソースなど、従来型のサービスから、がんやCNSなどスペシャルティ領域の専門MRやMSLなどのサービスが近年急速に普及している。今後のサービスとしては、マルチチャネルやバーチャルファーマなど、デジタルを活用した活動などに拡大するとの見方もあり、こうしたサービスの受け皿としての機能をどう構築するかが課題となりそうだ。