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国立成育医療研究センターとKids Public 「オンライン医療相談」が小児のアトピー性皮膚炎の発症を抑制

公開日時 2022/04/05 04:50
国立成育医療研究センターとKids Publicはこのほど、小児科に特化したオンライン医療相談「小児科オンライン」を用いてアトピー性皮膚炎の有症率を調べたところ、オンラインを使った小児科医による介入群は対照群と比べて生後 4か月時点の有症率を13%低減させたと発表した。小児科医がオンライン医療相談を通じ、母親へのアドバイス、メルマガによる情報提供などを実施することが、疾患の発症予防や早期発見などにおいて有効であることを示した。今回の共同研究の内容は、2022年2月17日に英文雑誌「JMIR Pediatrics and Parenting」に掲載された。

「栄区母子小児医療相談研究:SIMPLE Study」と呼ばれる共同研究は、2017年11月1日~2018年5月31日の間に、横浜市栄区に出生連絡票を提出した母子を対象に、オンライン医療相談などを提供する介入群(n=140)、と、提供しない対照群(n=127)にランダムに振り分け、介入群には、出生連絡票提出後から生後4か月までオンライン医療相談(自宅でのスキンケア方法等)の無料提供とメールマガジンを3日ごとに配信した。評価方法は、4か月健診の際に、皮膚の状態を小児科医が診察し、United Kingdom Working Party (UKWP) criteriaに基づいてアトピー性皮膚炎の有無を判断した。

◎有症率 介入群20%、対照群33%


アトピー性皮膚炎の有症率は、介入群が20%、対照群が33%となり、介入群では、対照群に比べ生後4か月健診時点でのアトピー性皮膚炎の有症率が 13%低かった。(20% vs 33%, P=.02; relative risk ratio, 0.709 [95% CI 0.519-0.969])。その結果、オンライン医療相談の提供が、アトピー性皮膚炎の有症率を下げる効果がある可能性を示唆したと結論づけている。

◎様々な疾患の発症予防や早期発見などにICTの活用が期待される


共同研究の結果について国立成育医療研究センターとKids Publicは、「オンライン医療相談で小児科医から直接受ける自宅でのスキンケア方法についてのアドバイス、またメールマガジンでスキンケアの重要性などの情報を得られる環境が、アトピー性皮膚炎を抑えることに有効であることを示唆した」と指摘。今後は更なる研究や検証を進めるとし、「アトピー性皮膚炎だけでなく、様々な疾患の発症予防や早期発見などでICTの活用が期待される」と強調した。
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