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レオ ファーマ国際事業担当・キア―氏 アドトラーザ自販で「日本のレオの存在感が非常に大きくなった」

公開日時 2025/09/12 04:52
デンマークのレオ ファーマ本社のフレデリック・キア―・国際事業担当エグゼクティブバイスプレジデントが9月11日、来日を機に本誌インタビューに応じた。アトピー性皮膚炎治療薬・アドトラーザの自社販売をきっかけに、「当社製品で治療される日本の患者さんが非常に増えた。日本におけるレオの存在感が非常に大きくなった」との認識を示した。日本皮膚科学会認定の皮膚科専門医約7000人の多くを自社MRでカバーできていると言い、キア―氏も今回、皮膚科KOLとの面会を予定しているという。「皮膚科領域には多くのアンメットメディカルニーズが存在する」と強調するキア―氏は、日本を含む世界の専門医とのネットワークを通じて皮膚科領域のアンメットニーズに応えていく構えをみせた。

レオは、世界で115年以上の歴史を持つ皮膚科領域の医療用医薬品事業(メディカルダーマトロジー)に特化したスペシャリティファーマであり、同領域のグローバルリーダー。

レオ本社は6月、アドトラーザなどの“戦略的製品”の世界的な商業化と外部パートナーシップの強化に向けた組織改編を実施した。ノボ ノルディスクを退職してレオに6月1日付で入社したキア―氏は、国際事業担当EVPに就任、米国・カナダ以外の地域における戦略的製品の商業化の責任者を務めている。グローバルリーダーシップメンバーの一人でもある。

◎日本のアンメットニーズを把握、世界のアンメットニーズを共有

キア―氏は、今回の来日目的について、「レオグループにとって日本は非常に重要な市場」であり、23年9月発売のアドトラーザを機に日本におけるレオのプレゼンスが大きくなったことから、日本市場や日本法人社員に「敬意を示す」ことが目的のひとつだとした。日本法人の売上や成長率は「非開示」。人員拡充計画に関しては「プレゼンスの向上に満足しているが、これから先のことはまだ決定していない」と話すにとどめた。

また、「皮膚科領域で影響力のある日本の先生方とお会いして話をすることも、重要な来日の目的」だと明かしてくれた。日本にどのようなアンメットニーズがあるのかを把握し、また世界の皮膚科専門医が抱えるアンメットニーズを日本の医師と共有することで、レオがそのアンメットニーズを満たすためにどのような取組みができるのかを検討するきっかけにしたいようだ。

◎日本法人・シスネロス社長 「様々なコミュニケーションをしていることがレオの強み」 連携サポートも

レオ日本法人のクリス シスネロス代表取締社長もインタビューに応じ、「日本の医療用皮膚科領域におけるリーダーになるためアドトラーザを自販した」と振り返りながら、「患者さんのニーズを踏まえてアドトラーザのペン製剤も発売した。患者さんのためにイノベーションを続けていくことがとても大事」と強調した。

そして、23年から本格稼働した自社MRは学会認定の皮膚科専門医の多くをカバーすることに成功。皮膚科専門医と小児科などの医師との連携サポートにも積極的に取り組んでいると言い、「皮膚疾患の治療のために、またアンメットニーズを把握するために、様々なコミュニケーションをしていることがレオの強み」と述べた。

◎成長ドライバーはアドトラーザ、デルゴシチニブ、スぺビゴの3製品

キア―氏は、レオグループの成長を支える”戦略的製品”として、▽アドトラーザ、▽日本を除く全世界の権利を持つデルゴシチニブ(一般名)、▽25年後半に独ベーリンガーインゲルハイムから譲受予定のスぺビゴ――の3製品を挙げた。

このうちデルゴシチニブは日本たばこ産業(JT)が創製したもの。レオは日本を除く全世界における皮膚外用剤としてのデルゴシチニブの独占的開発・商業化権を保有している。ドイツや英国などで慢性手湿疹の適応で販売し、レオの業績にも貢献している。一方、デルゴシチニブは日本でアトピー性皮膚炎治療薬・コレクチムとして販売中だが、JTは医薬事業を切り離した。レオが、デルゴシチニブの日本の権利の獲得に動くのかも気になるところだが、キア―氏は、「当社とJTとの今までの関係を変えることはないと認識している」とコメントした。

希少な難治性皮膚疾患で、日本では指定難病の膿疱性乾癬(GPP)を対象疾患とする抗IL-36抗体・スぺビゴについては7月に、ベーリンガーがレオに同剤を譲渡することが発表された。レオの皮膚科領域のグローバル販売網を生かして、GPP患者に治療アクセスを担保することがねらい。レオは、スぺビゴの皮膚疾患における開発の権利も得た。譲渡は25年後半に完了予定とも発表された。キア―氏は、「スぺビゴを譲受する手続きは発表の通りのスケジュールで進んでいる」と話すにとどめ、譲受の具体的な時期や日本市場でレオが同剤を手掛けるタイミングは「非開示」だとした。

◎自社開発中心から外部イノベーションを積極的に取り入れる戦略に変更

このほかキア―氏は、研究開発戦略を変更し、それまでの自社開発中心から外部イノベーションを積極的に取り入れるパートナーシップ戦略に変えたことを紹介した。数千にも及ぶ希少な皮膚疾患が存在すると指摘した上で、「皮膚科領域において近年、非常に多くのイノベーションが起こっている。レオの115年以上の皮膚科領域における専門性と経験を有効活用すべきとの判断に至った」と述べた。希少な皮膚疾患に対して自社、外部の双方からイノベーションを起こし、患者貢献していく考えを示した格好だ。

インタビューの詳細(一問一答記事)はミクス11号に掲載予定です。
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