JCRファーマ 新社長に薗田究研究本部長、新会長に芦田透営業本部長 26年4月1日付で経営体制刷新へ
公開日時 2025/05/15 04:46

JCRファーマは5月13日、新たな代表取締役社長に薗田啓之・取締役専務執行役員兼研究本部長が就任すると発表した。26年4月1日付。代表取締役会長に芦田透・取締役専務執行役員兼営業本部長が就任する。創業一族である芦田信代表取締役会長兼社長は代表権のない取締役ファウンダーとして、経営をサポートする。薗田氏は同日開かれた決算説明会で、「今やっていることだけをやり続けていくだけでは意味がない。研究開発においては常に投資をして新しい技術開発をしていくことは続けていきたい」と抱負を語った。
◎薗田啓之氏「我々のベンチャー精神はリスクをとって新しいものにチャレンジすること」
新社長就任が決まった薗田氏(写真上)は1978年6月生まれの46歳。2003年に入社。21年6月から研究本部長、22年10月からシスメックスとの合弁会社Allied Celの代表取締役社長も兼任している。薗田氏は、「我々の感じているベンチャー精神は、リスクをとって新しいものにチャレンジしていくこと。収益を守るために守りに入るのではなく、患者さんが欲しいと思っている技術や薬のために果敢に挑戦していく」と、技術開発を加速していく意欲を示した。
◎芦田透氏 「イノベーションを次の50年も出せるような組織風土を作りたい」

新会長に就任する芦田氏(写真下)は生命保険会社などを経て、14年にJCRファーマに入社。これまで経営戦略担当、管理本部・メディカルアフェアーズ部統括などを歴任し、20年4月より営業本部長、24年6月より取締役専務執行役員を務めている。この日の説明会で芦田氏は、「私が小学生の時に創業をして、高校生のときにはウロキナーゼの工場にアルバイトに行くなど、町工場時代からのスピリットが体に染みついている。JCRにしかできないイノベーションを次の50年も出せるような組織風土を作っていけるよう支えていきたい」と意気込みを語った。
◎芦田信会長兼社長「素晴らしいJCRとして発展していっていただきたい」とエール
芦田会長兼社長はこの機会に経営体制を刷新することについて、「数年前から指名報酬委員会を中心にどういったような体制を作ったらいいかっていうことを考えてきた」と明かした。薗田氏の社長就任については、「私から(園田氏に)あれやれこれやれということは1回も言ったことがなかったと思う」と振り返りながら、「自由にやって、そしてお金はできるだけ研究の方につぎ込んで、良いものを作ると製造部門にお金を投じてきた」と園田氏のビジネス上の人柄を紹介。次期社長候補として、「こうした考え方がよかった」と語ってくれた。また、創業当時の“ベンチャー的”気風の継承者として、「これからもこの精神を持って、素晴らしいJCRとして発展していっていただきたい」とエールを送った。