FDA クッシング症候群治療薬Korlymを承認
公開日時 2012/02/21 04:00
米食品医薬品局(FDA)は2月17日、クッシング症候群成人患者の高血糖を管理する治療薬Korlym(mifepristone)を承認した。
同剤の適応は、2型糖尿病あるいは耐糖能異常、ならびに手術不能もしくは前手術が無効の内因性クッシング症候群。内因性クッシング症候群の治療薬がFDAに承認されたのはこれが初めて。
同疾患の原因は、下垂体腫瘍や副腎腫瘍により副腎の機能が障害されることによる、コルチゾールの過剰生産。満月様顔貌、肥満、高血圧、高血糖、筋力低下などを引き起こす。同疾患は25~40歳の成人が罹患しやすい。米国での患者は約5000人といわれ、Korlymは2007年に希少疾病薬の指定を受けている。
なお、FDAは、同剤については、内在性クッシング症候群の患者にとってベネフィットがリスクを上回るとの観点から、「リスク評価緩和戦略」の対象としないことを決定した。
その理由として、①他に承認薬が存在せず、アクセスの障害を課すと患者が苦しむ②同剤の治療を必要とする患者は約5000人と少数③米国に同剤を処方できる専門医は非常に少数で、同剤の治療によるリスクや治療中の患者の状態のモニタリングに精通している④リスクについて、添付文書で管理可能で、患者向けガイドでもリスクを概説している――ことを挙げている。
同剤は、希少疾病薬であるためにセンターの役割を果たす特定の薬局を通してのみ供給される。KorlymはCorcept Thrapeutics(カリフォルニア州メンロパーク)が製造する。