バイエル薬品
公開日時 2001/12/13 23:00
プレスセミナー「炭疽菌感染症―その病態と治療」を開催し、ニューキノロン系抗菌剤シプロキサン(一般名:シプロフロキサシン)(錠剤、注射剤)の炭疽菌感染症に対する効能追加が日本でも近日中に承認される見通しであることを明らかにした。 米国での炭疽菌テロ事件勃発後、厚生労働省から10月19日に効能追加申請の要請を受け、同30日に申請した。米国ではFDAとCDCの奨励により、2000年2月に効能追加を申請、同8月に「炭疽菌暴露後における肺炭疽の発症および進展抑制」の効能で承認され、投与は1日2回(成人の1日量は錠剤1000mg、注射800mg)、60日間とされている。 同テロ事件以降、米国では約3万2000人が予防的に服用した。処方量は10月にピークに達し、現在は通常量に落ち着いたが、独バイエル社では全世界へ供給するために4000万錠/週を生産しているという。CDCの暫定的ガイドラインでは、今回のテロ事件で問題となっている肺炭疽の予防投与についてはシプロフロキサシン経口あるいはドキシサイクリン経口が第一選択薬とされ、発症後の初期治療では2剤の注射剤いずれかに他の1~2剤を追加することが推奨されている。 講演した相川直樹・慶應義塾大学医学部救急部教授は、今回のテロ事件で発症した23人中、肺炭疽は11人、うち死亡例は5人で、約半数は生存していることから、予防的な薬剤の服用が効果を示したものと考えられるとした。