厚労省 医療保険制度見直しで「たたき台」
公開日時 2002/12/17 23:00
厚生労働省は12月17日、「診療報酬体系の見直し」「医療保険制度の体系の在り方」に関する試案をまとめた、薬価関連で「画期的新薬について適切な評価を推進するとともに、後発品の使用促進のための環境整備を図る」などと指摘した。政府は試案を「たたき台」に、今年度中に基本方針を策定する。試案は診療報酬体系について、「医療技術の適正な評価を重視した診療行為別の評価(ドクターフィー的要素)と、医療機関の運営コストや機能の適切な反映を重視した入院医療の総合的な評価(ホスピタルフィー)に再編」することを基本的方向に掲げた。「医療技術」は出来高払いを基本として「難易度」「時間」「技術力」などを評価。「医療機関の機能」では、人員配置に着目した現行の評価方法を見直し、疾病の特性や重症度、看護の必要度などを反映した包括評価を進める。薬価については、薬価算定ルール見直し、医薬品の保険適用と負担のあり方の検討、市場実勢価格を踏まえた評価なども改革の方向として明示した。一方、医療保険制度の体系に関し、各保険者で年齢構成や所得の格差が大きいと位置付け。①医療計画が各都道府県で策定される②医療サービスはおおむね都道府県の中で提供される実態がある――ことから、「都道府県を軸とした再編・統合が望ましい」とした。高齢者医療については、「年齢構成や所得に着目した財政調整を行う」「後期高齢者に着目した制度創設」の2案を掲げた。今年10月施行の改正健保法は付則で、保険者の統合・再編を含む医療保険制度の体系、新しい高齢者医療制度創設、診療報酬体系見直し――の3項目について「02年度中に基本方針を策定すること」としている。