中外製薬は１月17日、抗インフルエンザウイルス剤「タミフル ドライシロップ」「タミフル カプセル」について、①「ドライシロップ」に品質上の問題が生じた②患者発生動向が過去２シーズンに比べ急激な立ち上がりだった――ことから、出荷調整を実施していることを明らかにした。「要望に応えられない状態の解消はまだできておらず、事態打開に向けた各種方策を講じている」という。同社は今シーズン、カプセル約300万人分、ドライシロップ約67万人分の供給を計画。しかし、昨年７月新発売のドライシロップで、輸入した製品バルクの受け入れ検査により品質上の問題が生じたことが分かった。原因究明と製造工程改善実施のため供給計画に遅れが出た。加えて、急激な患者発生がありシロップの供給の遅れが品薄感を生じさせた結果、カプセルも連鎖的に品薄になるとの憶測が医療現場などで流れた可能性もあるという。シーズン入りから１月15日までに同社は、カプセルとシロップ合わせてすでに約282万人分を出荷した。さらに２月中旬までに107万人分、３月中旬までに57万人分を出荷する予定で、供給総数は当初予定を大幅に上回る446万人分（カプセル378万人分、シロップ68万人分）になる。