三菱ウェルファーマは５月12日、03年３月期決算を発表した。〔03年３月期〕売上高　2807億8000万円（22.6％増）営業利益　294億4800万円（47.5％増）経常利益　273億8500万円（64.6％増）純利益　82億5500万円（8.1％減）〔04年３月期予想〕売上高　2530億円 経常利益　370億円 純利益　200億円 増収、営業利益、経常利益は増益となったが、米国子会社アルファ社の米国血漿分画事業からの完全撤退を決定、03年３月期の特別損失に米国血漿事業整理損失引当金繰入額として168億円を計上するなどにより、純利益は減益となった。小堀暉男社長は「業績低迷の続いていたアルファ社の問題に決着がつき、社長就任時の公約を果たすことができほっとしている」と述べた。脳保護薬「ラジカット」の投与による急性腎不全の副作用問題で昨年10月末緊急安全性情報が出されことを受け、ラジカットの売上の伸びは鈍化。小堀社長は「無理に売上を伸ばさず、安全性を第一としたプロモーション活動を行い、じっくり行こうと考えている」と述べ、ラジカットのピーク時の売上は予想していた400億円に届かない可能性を示した。02年度のラジカットの売上は57.3％増の324億円、03年度は横ばいの330億円を見込む。小堀社長はラジカットの売上の伸びの鈍化を受け、今年４月に「トータルコストダウン・プロジェクト」を発足、原材料・商品の仕入れコスト、人件費、一般経費など総額100億円のコスト削減をめざす方針を明らかにするとともに、中期経営計画で示した04年度の営業利益500億円の見直しが必要になる可能性も示した。