生成AIで薬剤・疾患情報の収集 医師の4割に浸透 「GLでは何と書かれている?」 出典確認質問多く
公開日時 2026/04/22 04:52
ChatGPTやGeminiなどの生成AIを用いて薬剤・疾患情報(以下、薬剤情報)を収集した経験のある医師が40.4%と、4割を超えたことがわかった。これは製薬デジタルマーケティング支援会社のエム・シー・アイ(MCI)が2026年1月に実施した医師調査結果で、3カ月前の前回25年10月調査から5.2ポイント伸びた。生成AIへの薬剤関連の質問内容は、「ガイドラインでは何と書いてあるか」といった「出典確認質問」が27.3%と最多で、「A薬とB薬の違いを比較表にして」など「形式指定質問」(22.6%)が続いた。医師の生成AI活用は情報の要約・整理に深化しており、MRにはAIが提示する情報の一歩先を読み解く、より高度なアプローチが求められそうだ。
MCIは、医師の薬剤情報の収集実態などを把握するため2026年1月に調査を実施した(調査期間:1月16日~2月2日)。調査対象者は製薬企業サイトやその他医療関係企業サイトを閲覧している医師。有効回答数は4981人。調査結果は
医師版デジタルマーケティング白書2026年春号に掲載している。
◎利用医師「26年中に過半数に迫る勢い」 40歳未満医師では6割に利用経験
生成AIを用いて薬剤情報を収集した経験のある医師は、24年1月調査(n=5077)は15.7%だったが、25年10月調査(n=5094、以下「前回調査」)で35.2%、そして26年1月調査(今回調査)で40.4%となった。2年前と比べて約25ポイント、3カ月前から5.2ポイント伸びた。MCIは、「利用医師は26年中に過半数に迫る勢い」と分析している。
医師の年代別では、若手医師ほど生成AIを用いた薬剤情報の収集が進んでおり、利用割合は30歳代以下(40歳未満)は61.3%、40歳代は48.3%、50歳代は33.0%、60歳代以上は22.8%――だった。前回調査と比べて全ての年代で利用割合は伸び、30歳代以下の若手医師は今回初めて6割台に乗った。
◎活用理由 医師の6割以上「要点がすぐわかる」 対話性も4割強に
生成AIによる薬剤情報の収集経験がある医師2010人に活用理由(複数回答可)を聞いた結果を見てみる。「要点がすぐにわかる(要約性)」(64.8%)が断トツの1位で、次いで「複数サイトを見なくてよい(手間削減)」(47.6%)、「聞き方次第で自分の質問ニーズに合わせた回答が得られる(カスタマイズ性)」(46.1%)、「繰り返し質問して掘り下げられる(対話性)」(42.1%)――となり、これら4項目で回答割合が4割を超えた。
◎最新情報や信頼性で生成AIと差別化へ
一方、「最新情報が反映されている(速報性)」は22.1%、「信頼度が高い(根拠がある)」は12.7%にとどまった。この点についてMCIは、「最新情報や信頼性は、製薬企業がしっかりフォローすべき項目ではないか」と指摘。「生成AIとの差別化という観点からも今後、重要なポイントになる」と分析している。
ここで医師が薬剤情報の収集にあたり生成AIをどのように活用し、具体的に何を求めているのかのヒントを探るため、医師2010人に生成AIへの“聞き方”で最も多いパターンをひとつ挙げてもらった結果を見てみる。上位から「『ガイドラインでは何と書かれているか』など出典確認質問」(27.3%)、「『A薬とB薬の違いを比較表にして』など形式指定質問」(22.6%)、「『〇〇薬の用量は?』など簡潔な事実質問」(19.9%)、「『患者Aさん(背景:〇〇)にはどう説明するか』など状況設定付き質問」(15.0%)――などとなった。
医師のAI活用が深化するなか、製薬企業やMRには、AIが整理したデータの「その先」を読み解くなど医師へのアプローチ手法の検討が急務となりそうだ。